【産業天気図・医薬品】つかの間の晴れ間去り、真っ黒な雨雲の影

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今05年は、まずまずの滑り出しだった。2年に一度来る薬価改正の裏期であることに加え、第1四半期は時節外れのインフルエンザ流行と花粉大量飛散に“恵まれ”、中外製薬<4519.東証>(抗ウイルス薬タミフルに特需、以下同)、第一三共<4568.東証>(抗菌薬クラビットとアレルギー薬ジルテック)、協和発酵工業<4151.東証>(抗アレルギー剤アレロック)、ツムラ<4540.東証>(小青龍湯)、杏林製薬<4560.東証>(去痰剤ムコダイン、抗菌剤ガチフロ)などが上方修正する結果となった。
 第2四半期も7月に沢井製薬<4555.東証>、東和薬品<4553.東証>などジェネリック(後発)医薬品各社が30以上の新製品を発売。この中には消化器官薬タケプロンや排尿障害改善薬ハルナールといった大型品のジェネリックも含まれていたことから、新薬メーカーも必死の守勢を敷いたことで、結果的に市場が活気づいた。市場調査会社の速報値によれば、上半期の国内医薬品市場は約5%の成長となった。
 ただ、年明け以降は4月の薬価改正をにらんだ買い控えが始まる。特に、次回のカット幅は7%とも8%とも観測されており(前回は平均4.2%)、その分、強い買い控え行動が起きる恐れもある。それでも今下期は3%程度の成長と予想されており、インフルエンザが流行した場合は上振れする可能性も残す。
 来06年は薬価改正の影響がダイレクトに現れる。さらに医療制度改革もある。「大荒れの1年」となりそうだ。
【高橋由里記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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