京急、横浜の隣で「乗降人員最少」神奈川駅の風格 2022年度1日平均最下位、旧東海道の和風駅舎
神奈川駅の所在地は「神奈川県横浜市神奈川区青木町1-1」。旧東海道を現在の地図でたどると、宮前商店街を抜け、神奈川駅のそばにかかる青木橋で京急とJRの線路を渡り、保土ケ谷宿方面へ続く。
宮前商店街に面した洲崎大神は源頼朝ゆかりの神社で、青木町の地名は境内にあった御神木の檍(あわき)に由来すると言われている。また、青木橋を渡った先の高台には横浜開港時にアメリカ領事館が置かれた本覚寺。生麦事件で負傷したイギリス人が駆け込んだ寺でもある。周辺は歴史好きが訪れたくなるスポットがいくつもある。
駅舎は神奈川宿にちなんだという和風のデザインが特徴だ。「関東の駅百選」に選ばれている。青木橋の脇に出入り口があり、改札を通って階段を下りると、切り通しの限られたスペースのなかでJRの横須賀線・東海道線・京浜東北線などと並んで窮屈そうに対面式のホームが設けられている。
ホームは改札の下の階にあるが、駅に入るには一度階段を上る必要がある。「今の高さより低いと跨線橋や駅舎外壁が建築限界を超えるため」(同社)という。
横浜側のターミナルがあった
1905年に京急の前身、京浜電気鉄道が品川―神奈川間を開業させたとき、横浜側のターミナルとして「神奈川停車場前」(のちに「京浜神奈川」に改称)、1駅品川寄りに「反町」の駅ができた。一方、東京側のターミナルである「品川」は現在の北品川駅付近にあった。
『京浜急行百年史』(1999年発行)は「京浜間を全通する目的をもっていた京浜電気鉄道にとって、致命的な欠陥の一つは、『東京横浜の連絡電車とはいえ、両市における出発点が甚だまずい』(『東洋経済新報』、1925年11月7日)ところにあった。その自覚があったからこそ、東京市内、横浜市内への乗り入れは、京浜電気鉄道の最大の課題であった」と解説する。
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