京急、横浜の隣で「乗降人員最少」神奈川駅の風格 2022年度1日平均最下位、旧東海道の和風駅舎
神奈川と横浜、両駅の歴史は密接に関連する。1872年、日本初の鉄道開業当時の官営鉄道(後の国鉄)「初代横浜駅」は現在の桜木町駅で、途中駅として川崎駅と神奈川駅が置かれた。その後、1915年に現在の高島町交差点付近へ移転したのが2代目横浜駅。1923年の関東大震災で焼失し、現在地(3代目)に落ち着いたのが1928年で、このとき官営鉄道の神奈川駅は廃止された。
京浜電気鉄道が横浜駅まで開通させたのは1930年2月だった。同年3月29日、反町・京浜神奈川の中間に「青木橋」の駅が開業、その直後にこちらが京浜神奈川を名乗ることになった。反町とそれまでの京浜神奈川は廃止された。青木橋として生まれた京浜神奈川は1956年に「神奈川」の駅名となって現在に至る。
横浜駅長に聞く神奈川駅
神奈川駅と戸部駅を管轄する横浜駅の齊藤功司駅長は「横浜方面へ下り勾配になっているので最初は電車を停めるのが難しかった」と運転士時代を振り返る。下り列車の前方は横浜駅構内のような扱いとなるため、運転士はほかの駅と違い「第一場内、進行」と指差確認喚呼をすることになっていると説明する。
駅員は基本的に1人体制で勤務する。「なんでも1人で対応できないといけないのでベテランを配置することにしている」(齊藤駅長)。狭いスペースに建つ駅のため駅員用の寝室は事務室から階段を下りた駅舎の“縁の下”に当たる部分にある。
横浜駅から徒歩で行ける距離にあることも利用者が少ない理由の1つのようだ。齊藤駅長は「駅の近くに住んでいる方か、予備校生しか利用しないのでは。でも、地元密着でのんびりしていてホッとする駅ではあります」と話す。横浜駅を通勤通学で使う人もたまには神奈川駅で降りて1駅分を歩いてみれば、なにか新しい発見があるかもしれない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら