初心者に教えたい「新NISA」でやったらダメなこと せっかく分散投資をしても意味がなくなる

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毎月5万円を定額で解約するのは、あまり利口な方法とはいえません。なぜなら、マーケットが悪化して基準価額が大きく下がると、たくさんの口数を解約しなければならなくなるからです。

たとえば、基準価額が1万口あたり1万円の時、5万円分を解約しようと思ったら、5万口を解約すれば済みます。

では、基準価額が1万口あたり5000円になったら、どうなるでしょうか。この場合、1口あたりの基準価額は0.5円ですから、5万円分を解約して引き出そうとしたら、

5万円÷0.5円/口=10万口

となり、10万口を解約しなければなりません。

これはいささか極端な例ですが、金額ベースで定額解約を続けていると、基準価額が下がった時に多くの口数を解約しなければならず、その分だけ受益権口数の減り方も速くなってしまう恐れがあるのです。

お勧めは「口数ベース」での解約

そこでお勧めしたいのが、口数ベースでの解約です。つまり、毎月5万円の定額解約ではなく、5万口の「定口解約」をするのです。

ただ、この方法だと、たとえば1万口あたりの基準価額が7000円まで値下がりすると、その月に引き出せる金額は3万5000円になります。つまり、投資の運用成果が悪い時は、少し倹約してお金を使わなければなりません。

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でも、一方で基準価額が1万4000円まで値上がりしていたら、その月に解約して引き出せる金額は7万円になります。マーケットがいい時はご褒美、悪い時は我慢、というわけです。これをゲーム感覚で楽しんでもいいのではないでしょうか。

当然、口数ベースで解約していけば、定額解約のように、基準価額を大きく下げた時により多くの口数を解約しなければならないということにはならず、その分だけ受益権口数の減り具合を抑えることができます。

しかも、運用しながら解約していくわけですから、解約によって少しずつ口数は減っていきますが、一方で運用を継続していくことによって資産の額がさらに増えていく期待に鑑みれば、一段と資産の目減りを最小限にできるのです。

中野 晴啓 なかのアセットマネジメント社長

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なかの はるひろ / Haruhiro Nakano

1987年 クレディセゾン入社。2006年社内ベンチャーとしてセゾン投信設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任し、 2023年6月に退任。9月1日、なかのアセットマネジメント設立。趣味は歌舞伎鑑賞や鉄道など。

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