パチンコ「ガイア」債権者に明かした倒産劇の内幕 コロナ後は綱渡り経営、銀行もしびれを切らす

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とくに人気機種の場合、定価が40万~50万円程度でも、中古市場では100万円超で取引されるケースもざらにある。メーカーから人気機種を直接仕入れられなければ、余計にキャッシュアウトがかさんでしまう。

パチンコホールとして事業再生するためには、倒産直後から遊技機メーカーに対する債務を滞りなく支払い、関係性を維持することが重要だ。実際、東京地裁の出した保全処分に伴い、これまでの債務は弁済が禁止された一方、遊技機など「事業の継続に不可欠な取引に係る商取引債務」は例外の1つとして弁済が認められた。

「遊技機メーカーとの取引継続が、すべての債権者の利益につながる」。説明会で代理人弁護士はそうした趣旨の説明を行い、メーカー以外の参加者に理解を求めた。

内部要因の分析が不可欠

ガイアは今後、11月上旬に再生手続きの開始が決定されることを前提に、再生計画案を2024年2月に提出する予定という。同年4月上旬の債権者集会で法定多数の賛同が得られ、5月上旬にも裁判所からの認可決定が確定すれば、再生計画が走り出すという流れだ。

再建を進めるうえでの懸念は、今回の説明会では触れられなかった、倒産に至った内部要因だ。市場縮小やコロナ禍といった外部環境の変化はマルハンやダイナムなどの大手にも共通するが、ガイアのような経営危機には至っていない。

代理人弁護士は「業績が低空飛行を続けた理由はいろいろあると思う」と含みを持たせ、「原因をしっかり調査・把握し、これを踏まえて再建計画を作っていかないといけない」と強調した。

かつてパチンコ3強の一角として隆盛を誇ったガイアが、復活を果たす日は来るのか。まずは年明けに提出される再生計画案において、どこまで会社固有の課題が洗い出されているかが試金石となる。

森田 宗一郎 東洋経済 記者

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もりた そういちろう / Soichiro Morita

2018年4月、東洋経済新報社入社。ITや広告・マーケティング、アニメ・出版業界を担当。過去の担当特集は「サイバーエージェント ポスト藤田時代の茨道」「マイクロソフト AI革命の深層」「CCC 平成のエンタメ王が陥った窮地」「アニメ 熱狂のカラクリ」「氾濫するPR」など。

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