中国農村部が直面する「老老介護」の過酷な実態 高齢者の半数超が独居または夫婦のみで生活

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「相互ケアの核心は、地域コミュニティに内在する活力をいかに引き出すかにある。言い換えれば、介護を必要とする高齢者自身と、自主的に組織された介護サービス・チームの主体性にかかっている」。長益公益基金会の秘書長を務める鐘鉄華氏は、そう指摘する。

都市部に比べて貧しい農村部は、介護サービスを含む公共インフラが脆弱だ(写真はイメージ)

「農村部においては、健康な高齢者は地域コミュニティの最大の人的資源だ。まず相対的に若い高齢者の(介護サービス提供者としての)潜在力を引き出し、彼らのやり甲斐を満たす。そして時が経ち、彼ら自身に介護が必要なタイミングになったら、(相互ケアによる)サービスの受益者に転じればよい」(鐘氏)

とはいえ、農村部における相互ケアを成立・持続させることは、決して簡単ではないのが実態だ。

地域住民の「相互ケア」にも課題

例えば、介護サービスの提供者の身分が曖昧(で責任の所在が不明確)なことや、行政の支援や予算の投入が不安定であること、介護サービスの対象が相対的に自立した高齢者に偏り、手厚いケアが必要な寝たきりの高齢者や認知症の高齢者が置き去りにされていることなど、様々な問題点が指摘されている。

本記事は「財新」の提供記事です

なかでも深刻なのが資金不足だ。中国老齢協会の報告書によれば、相互ケアの財源には地元政府、公益基金などの慈善団体、地域住民がお金を出し合う相互扶助などがある。しかし現実には、(農村部の)地元政府の財政はどこも厳しく、住民の懐にも余裕がないため、慈善団体の支援に頼らざるを得ない状況になっている。

(財新記者:周信達)
※原文の配信は10月20日

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