不登校経験者の運転士たちが立ち上げた学び場 「僕たち自身、好きな鉄道に救われて元気になれた」
おたがいの「好き」を認め合える場所に
――AOiスクール立ち上げのきっかけと概要について教えてください。
小田急電鉄では2018年に「climbers(クライマーズ)」という社内事業アイデア公募がスタートしました。社会課題を解決するためのアイデアを募るコンテストで、毎回30件~40件のエントリーがあるんです。
今回の企画をいっしょに考えた鷲田運転士とは、以前から「こんなことができたらおもしろいね」といろいろなアイデアを出しあってきた仲。おたがいに不登校経験があるので、「いずれ、不登校に関係する企画を出したいね」という話も前々からしていて、今回のチャレンジにつながりました。自分たちの不登校経験をふり返りながら企画を練り上げていく作業は、すごく楽しかったですね。
スクールのコンセプトは、子どもたちの自主性を重んじること。僕たち自身が不登校期間、自分の好きなことに救われたので、「I’m ok, you are ok.」をモットーに、誰もがおたがいの「好き」を認め合える場所にしようと思っています。ただ、僕たちは学校を否定しているわけではありません。
学校が自分に合っていてめちゃくちゃ楽しいのだとしたら、素敵なことですよね。でも、学校が合わなかったとき、自分に合う場所をどこかに見つけられる社会であってほしいと思うんです。AOiスクールがそのひとつの選択肢になれたらうれしいですね。在籍校が認めてくれさえすれば、スクールに来ることで在籍校の出席扱いにすることも可能です。