無数の悩みは「具体と抽象」でシンプルになる 「見えない世界」は抽象化によって広げられる
これにくらべると「抽象的」という言葉は、あまり使ったり耳にしたりすることがないのではないかと思います。目に見えて、触ったり写真に撮ったりできるものが具体とすれば、反対に抽象は目に見えたり触ったり、五感で感じることができないものです。
たとえば、あいまいでイメージしにくい「概念」のようなものがあてはまります。
ほかにも、「理想」「経済」「セキュリティ」「エネルギー」といった言葉で表現されるものが抽象的なもので、これは大人になるにつれて理解できるようになって、日常でも使うことが増えてきます。(「はじめに」より)
たしかに、両者を説明するならこういう表現に落ち着くことになるのかもしれない。だが、こうして改めて文章化されると、感覚的に捉えていた(ような気になっていた)ものの実体がよりわかりにくくなってしまうような気がしないでもない。
だが、もちろんそれは著者の責任ではない。つまりは、それほど説明しづらいものなのだ。
「具体と抽象」はすべての土台
そもそも、「具体と抽象」という概念自体が抽象的なのである。だから必然的に混乱してくるわけだが、「具体と抽象」の意味と使い方を理解しているかどうかで、さまざまなものの見方が変わるという。だからこそ、このわかりにくい概念を理解する必要があるのだ。
著者は「具体と抽象」を、すべてのことを学んだり活用したりする場合に基本中の基本となるものだと表現している。そのため、本来であれば言葉や数のようにさまざまなことを勉強する前に学んでおきたいものでもあるのだと。
生活のすべてに関わっているものだからこそ、なるべく早くこうした“世の中の仕組み”を理解し、使いこなせるようになることが重要だということだ。
では本書において、それはどのように解説されているのだろうか?
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