無数の悩みは「具体と抽象」でシンプルになる 「見えない世界」は抽象化によって広げられる
わが家の廊下には本棚があり、私はよくそこに、家族に読んでほしいおすすめの本を“面陳列(表紙が見えるように陳列)”している。
いうまでもなく、自分がいいと思った本は家族にも読んでもらいたいからである。とはいえ「読め」と強制するのも違うと思うので控えめに勧めているわけだが、残念ながら打率は低く、多くの場合は手に取ってもらえない。
だが、最近読んだ『13歳から鍛える具体と抽象』(細谷 功 著、東洋経済新報社)にはぜひとも関心を持ってほしいと願っている。そこで、陳列する場所や高さを変えたりして、なんとか視野に入れようとしている最中だ。
「具体と抽象」答えられますか?
タイトルからもわかるとおり、おもに子どもに向けて「具体と抽象」を軸としたものの見方、考え方を解説している書籍である。だが実際には子どものみならず、大人にとっても有用な内容だと感じる。
なぜなら、「具体と抽象ってなに?」と問われ、すらすらと答えられる大人はそれほど多くないはずだからだ。もちろん人生経験を積み上げていくに従って、それを感覚的に捉える術は身につけることができるだろう。しかし、たとえば子どもに対して、それがどのようなものであるかを説明することはなかなか難しいはずだ。
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