イスラエルと連帯する米国は「ガザ虐殺」の共犯者 アラブ世界の怒りあおる鉄壁のイスラエル支援
アメリカの一部の当局者は、イスラエルを理由もなくテロ攻撃に襲われた被害者と位置づけているが、中東ではそのような見方をする人々は少ない。
サウジアラビアを代表する知識人、ハリド・アル=ダヒル氏は、西側の大国が「イスラエル側の言い分を鵜呑みにしている」ことに最も失望していると語った。「西側は(ロシアによる)ウクライナの占領に反対しているが、パレスチナが(イスラエルによって)占領されている事実を否定できるのか」。
アメリカの評判に取り返しのつかない傷
アメリカの当局者はここに来て強硬な語り口をトーンダウンしたようで、ハマスのせいでパレスチナの民間人が苦しむことはあってはならないと強調するようになっている。
国務省は15日、アラブ諸国での経験があるベテラン外交官のデービッド・サッターフィールド氏を人道問題担当特使に任命し、ガザ地区の危機対応にあたらせた。バイデン大統領は、CBSテレビの報道番組「60ミニッツ」のインタビューで、イスラエルはガザを再占領するべきではないと語った。
さらにバイデン大統領は、大統領専用機エアフォースワンがイスラエルに向かって離陸して間もなく、ガザの病院での爆発について「ガザのアル・アフリ・アラブ病院で発生した爆発とそれによるたいへんな人名の損失に、憤りを覚えるのと同時に深く心を痛めている」という声明を発表。中東地域の複数の首脳と電話会談し、自身の国家安全保障チームに対し、実際に何が起こったのか調べるよう指示したと述べた。
それでも、中東では元から悪かったアメリカのイメージにはすでに取り返しのつかない傷が入ったと、ワシントンを拠点とするシンクタンク「中東研究所」のハフサ・ハラワ客員研究員は言う。
「アメリカ人は中東では道義的に立つ瀬がまったくない」
ハラワ氏によれば、過去1週間の空気は、9.11同時多発テロ直後の、そしてアメリカによる2003年のイラク侵攻直前の雰囲気を思い起こさせるものだった。