JR西の新型特急やくも「乗客を寝かせない」工夫 2024年春以降運行開始、デザインで集客なるか
10月17日に完成した車両が報道公開された。近畿車両の工場エリアに入って最初に目に飛び込んだのは阪急電鉄の車両を思わせる小豆色。その後、空の雲間から陽がさっと差し込むと車体の色は輝くオレンジ色へと変わった。メタリック塗装のブロンズ色は、光の加減で雰囲気が違って見える。
夕日が沈む宍道湖のうこん色、たたら製鉄のこがね色、大山夏祭りの篝火(かがりび)のあかがね色、石州瓦の赤銅色といった山陰地域の色をイメージしつつ、山陰・伯備線の風景に映える色を目指した。「岡山駅のホームでは暗く見えるかもしれない。でも出雲市駅では陽の光を浴びて明るい色に見えると思います。色の変化を楽しんでほしい」(川西氏)。
デザインによって広く見える車内
車両の前面や側面には、出雲大社の天井の壁画を参考にデザインしたという雲のイラストと「やくも」の文字が描かれている。「YAKUMO LIMITED EXPRESS」という文字も見える。1枚の四角い枠にイラストや文字をまとめるのではなくアルファベットの文字も含めて、1文字ずつシールを貼るという凝りようだ。「どのようなデザインにすればはがれにくくできるかという点に腐心した」(川西氏)。
では、川西氏が「現行車両では寝ている乗客が多い」とした車内はどう変わったのか。普通車の車内に足を踏み入れると、緑と青のシートが目に飛び込んできた。明るく開放感があり、どこか新幹線N700系の車内を連想させる。N700系では多くの乗客が自席でパソコンを使って仕事をしており、新型やくもの車内で仕事をするビジネスパーソンの姿が目に浮かぶ。
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