マネジメントに必要なのは「厳しさ」か「優しさ」か 部下の「個」の尊重と目標達成を両立させる手法

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つねに「厳しさ重視」の人々は、コミュニケーションによってお互いを知ることが必要、という考えに対して、「職場は仲良しクラブではない」というような批判をしがちです。

しかし、それは見当はずれです。コミュニケーションによってお互いを知ることは成果を最大化するためにこそ必要だからです。

「自分が率先垂範して数字を作っていくほうがたやすい」は本当か?

「厳しさ」と「優しさ」の間で揺れる、という以前に、プレーイング・マネジャーとして数値責任を負いながら、メンバーとコミュニケーションを図りつつ成長を支援するという、その両立に苦心している方も多いのではないでしょうか。

『伴走するマネジメント』(自由国民社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

この2つ、実は切り離すことのできない役割です。

なぜならば、会社の評価というのは、組織としてのパフォーマンスによって判断されるからです。

メンバーが成長することによって、チームの業績が上がり、目標達成に近づく、という組織としての成長が求められる限り、「数値目標を達成するためには、部下指導などやっていられない」という不満はよく聞かれる声ではありますが、会社の求める目標設定上では、的を射ていない、ということになります。

もちろん部下を成長させることで目標達成することは、言うほど簡単ではないかもしれません。一朝一夕にできるものではないでしょう。このことから、自分が率先垂範することで数字を作っていくことのほうがたやすい、と思う方も少なくないでしょう。

ただ、それをやり続けることはとてもシンドイはず。

そこで「伴走するマネジメント」が効力を発揮します。

和田 真二 人事コンサルタント

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わだ・しんじ / Shinji Wada

早稲田大学理工学部卒業。トーメン(現:豊田通商)、日本オラクルを経て2003年リンクアンドモチベーション入社。組織開発コンサルティング部門長を経て2009年独立。株式会社トゥルーワード代表取締役。2016年よりフィールドマネージメント・ヒューマンリソースに参画。ディレクター。

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