マネジメントに必要なのは「厳しさ」か「優しさ」か 部下の「個」の尊重と目標達成を両立させる手法

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一方、昭和を思わせるマッチョなマネジメント(=「いいからやれ!」)への郷愁を隠さない層も多数、存在します。

「部下のモチベーションを高めることはマネジャーの役割ではない。ただ目標達成を促せばいいのだ」

こんなことを主張するビジネス書がベストセラーになっています。

また、「優しいマネジメントが広がったことが、ぬるい職場を生み出し、不満を感じた若手が退社している」と主張する本もあります。これも「厳しいマネジメント」を支持する層に歓迎されています。

しかし、「厳しさ」と「優しさ」は、どちらかを選ばなければならないものでしょうか。

『伴走するマネジメント』では「厳しさと優しさを使い分ける」ことを提唱しています。

ルールには厳しく、コミュニケーションは優しく

「そんな矛盾した行動ができるのか?」

そう思われるかもしれません。

これに対する私の考えは明快です。

「ルールには厳しく、コミュニケーションは優しく、が原則。ルールとコミュニケーションは分けて考えるべき」ということです。

成果を求めて遂行するのがビジネスですから、時には、メンバーの意にそぐわなくても、厳しさを持って接しなければならないのは当然ですし、自然です。ルールから逸れたとき、逸れそうなときが、厳しさを発動するときです。

ただ、ルールについてのメンバーとの合意がないにもかかわらず、ただ自分の考えと合わないといって怒るようなことがあれば、メンバーの気持ちは離れていきます。場合によっては「ハラスメント」と見なされることもあるでしょう。

同じゴールを目指して協働するマネジャーとメンバーは、基本的にはコミュニケーションを十分にとりながら進んでいく必要があります。そこでは優しさが必要条件になるはずです。

相手がどのような価値観を持ち、どのような経験を経てきたか。それを根掘り葉掘り問いただす必要はありませんが、自然なコミュニケーションがあれば、自ずとわかってくるはず。何を考えているのかよくわからない相手と、同じゴールに向かって協働できるでしょうか?

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