トヨタ「クラウンスポーツ」SUVと似て非なる存在 セダンやステーションワゴンの発売も控える

✎ 1〜 ✎ 149 ✎ 150 ✎ 151 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
クラウンスポーツの発表と同時にクラウン凱旋店「THE CROWN」の開業についてもアナウンスされた
クラウンスポーツの発表と同時にクラウン旗艦店「THE CROWN」の開業についてもアナウンスされた(写真:トヨタ自動車)

クラウンスポーツの発表に合わせて表明されたのが『THE CROWN』と名付けられたクラウン専門店の展開だ。

この店舗では、今後発売されるセダンやエステートを含め、クラウンシリーズすべての車種が展示されることになる予定だ。クラウンという、トヨタの最上級乗用車に多様な価値が設定されたことにより、単一ブランドの店舗という発想が生まれたのだろう。レクサスとは違った店舗の雰囲気が味わえるのではないか。

THE CROWN店舗のみで購入可能な特別仕様車も用意される予定。第一弾は2023年12月頃発売予定となり、特別仕様車のコンセプトモデルも公開された
THE CROWN店舗のみで購入可能な特別仕様車も用意される予定。第1弾は2023年12月頃発売予定となり、特別仕様車のコンセプトモデルも公開された(写真:トヨタ自動車)

神奈川県・横浜、福岡県・天神に次いで、愛知、千葉、東京に順次展開し、これらの店だけで購入可能なクラウンの特別仕様も今後は設定されるようだ。

グローバルモデルとなり、若返りを狙う

クラウンスポーツのインテリア
クラウンスポーツのインテリア(写真:トヨタ自動車)

1955年の初代クラウン誕生以来、トヨタの、そして最終的には日本の最上級車種として君臨してきたクラウンは、長年にわたり顧客の高齢化に悩まされてきた。クラウンという価値が絶対的であればあるほど、それを継続して手に入れる人たちの年齢層が高まるのは当然だ。その優良顧客を満足させるクルマが、果たして他社から、あるいは世代の若い年齢層から好まれるかどうかはわからない。

クラウンアスリートという若向きの車種の設定など若返りへの挑戦は行われてきたが、ここにきて、クラウンシリーズという発想による、クラウンの中に秘めた多様な選択肢の取り組みと、クラウンだけの世界観を体感させる店舗の展開によって、今後、クラウンの顧客層はさらに広がりを持つようになっていくのではないか。クラウンという価値の存続の模索が、ひとつの答えを出しつつあるように思う。

昨年のクラウンクロスオーバー発表時に公開されたセダンのスタイリング
昨年のクラウンクロスオーバー発表時に公開されたセダンのスタイリング(写真:トヨタ自動車)
昨年のクラウンクロスオーバー発表時に公開されたエステートのスタイリング
昨年のクラウンクロスオーバー発表時に公開されたエステートのスタイリング(写真:トヨタ自動車)

 

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

また、クラウンシリーズとして、この先、4ドアセダンとエステートが順次発売になることで、長い期間にわたってクラウンというクルマの情報発信量は、全体的に多くなっていく。新車種と新店舗と情報発信量という多面的な取り組みが、クラウンをより強化するとともに、次の世代を切り開く戦力となっていきそうだ。

その背景に継承されるのは、昔も今も変わらぬ、「いつかはクラウン」という憧れの心ではないだろうか。

この記事の画像を見る(71枚)
御堀 直嗣 モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事