26年外資勤務「FIRE=幸せ」と限らない残酷な現実 意外と大きい「メンタルダメージ」その中身は?

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それが「FIRE後の人生」にどのような影響を及ぼすのか、単純化した例で考えてみよう。

「物価が年率1%の割合で継続的に上昇」した場合…

FIREを目指す人が、仮に毎月20万円あれば自分は生きていかれる、残りの寿命は40年、物価は上昇しない、と考えたとする。

その場合、最低9600万円あればFIREが可能だ(毎月20万円の480カ月分)。

それが「物価が年率1%の割合で継続的に上昇する」つまり「一月あたりの必要生活費20万円が毎月1/12%ずつ増えていく」に変化すると、FIREに必要な金額はおよそ2000万円増の1億1800万円となる。

日銀が目標にしている物価上昇率である2%が達成される想定だと、およそ1億4700万円当初想定の1.5倍を超える仮に5%だと、なんと3億円以上となる。

(筆者作成)

早期に引退するFIREでは当然「残りの人生」が長く、複利効果により物価変動の影響が極めて大きくなる。

市場環境、インフレ見通しが大きく変化すれば、「お金が足りなくなってまた働かなければいけないかも」と不安に襲われるのもご理解いただけるだろう。

ここまで読んでいただいたことで、「FIREしたからといって残りの人生がバラ色になるわけでは必ずしもない」ということがご理解いただけたと思う。

次回の記事では、「まだまだあったFIREによって生まれる心の穴」と、「その心の穴をを埋めていくために必要だったこと」について触れていきたいと思う。

*この記事の続き:「FIREでできた心の穴」埋めた驚きの"人生の決断"

柳川 洋 元外資系証券マネージングディレクター、ウイスキーオンラインショップ「コマスピ」代表

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やながわ ひろし / Hiroshi Yanagawa

ウイスキーオンラインショップ「コマスピ」代表。また株式会社アールエイチワイ代表取締役として執筆・投資・コンサルティング活動を行う。超就職氷河期の1995年に京大経済学部を卒業し留学体験ゼロの「純ドメ」にも関わらず米系証券会社東京支店に入社、以降債券部門営業責任者・資本市場部門ソリューション業務責任者などを経て2021年5月までモルガン・スタンレーMUFG 証券株式会社マネージング・ディレクター。退職後の2022年6月陸上自衛隊予備二等陸曹として任用。金融経済系の切り口を絡めた独自の視点で講談社BCなどのウェブメディアへの投稿多数。

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