「客単価4356円」女店主が営むラーメン店の秘訣 住所非公開・完全予約制なのに繁盛のワケ

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営業スタイルも、結果的に独自色を貫いている。だいたい営業日は週3日、1日3回転で15人が来店する。アルバイトがいる日は席数を増やして、1日24人程度の予約を受けている。

ほとんどのお客が来店時に次の予約を入れていくので、ネットでの予約可能の数が少なく、すでに予約困難店となっている。ほとんどがリピーターだという。

1時間ゆったりと、食事と会話を楽しむラーメン屋さん

「1日の客数とメニューが決まっているので、仕込みに無駄がなくロスもまったく出ないというメリットがあります。

もともとラーメン屋さんがやりたくて始めましたが、価格4356円と高いのでラーメン屋の客層とはまったく違います。美食家の方や料理の食べ歩きを趣味にされている方が多いですね」(矢嶋さん)

一時期ラーメンのみの営業やったこともあったが、通常に比べて満足感を与えられていないのではないかという不安に駆られたという。1時間ゆったりと食事と会話を楽しみ、満足して帰られるお客さんの顔を見ると、このスタイルでよかったと感じるそうだ。

「既存のラーメン屋さんが原材料高騰などで経営圧迫されているなら、このスタイルを考えてみてもいいかなと思います。それから女性店主が1人でできるお店の形でもあるので、新たなラーメン店のあり方として見せていければいいかなと思います。

住所非公開ということもあり、グルメサイトやGoogleの口コミを見て一喜一憂することもないので、メンタル的にもよかったかなと思っています」(矢嶋さん)

「純麦」は価格問題に苦しむラーメン業界に1つのヒントを示してくれている。

(筆者撮影)
井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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