北海道や東北だけではない。その他の地域も同様だ。
「従業員不足で、アルバイト、パートもなかなか見つからない状況がある。農作業、水産関係は、どうしても外国人の雇用に頼る動きがある。・・・・・・人件費はなかなか上げられない状況にある」(北関東、人材派遣会社)
「年末に向けた動きで、資材価格の高騰が影響し、カレンダー等の案件で中止や部数削減などの見直しが多く出ている」(南関東、出版・印刷・同関連産業)
「宿泊客に関しては、新型コロナウイルス明けの特需から少し落ち着いたような感じで、客足が思ったよりも伸びていない」(甲信越=都市型ホテル)
「8月までの好調がいったん収まり、来客数だけでなく売り上げも減少している。コンビニ業界ではロイヤリティが掛かるため、値上げが直接的に利益の増加にはならず、店舗の運営は厳しいままである」(北陸、コンビニ)
「電気代やガソリン価格の高騰や最低賃金の引上げ等で固定費は増えるいっぽうであるため、今後状況は更に悪化すると考える」(東海、会計事務所)
「遅い時間に来店し、見切り品を購入する客が増えている」(近畿、スーパー)
「9月は通常、来客数が増える業界だが、今年は例年より極端に来客数が少なかった」(中国、乗用車販売店)
「主力である造船関係の受注は安定しているが、その他産業用機械関連の受注案件が減少傾向にある」(四国、製鋼業)
「延滞率や倒産件数は増加傾向にあり、景気はやや悪くなっている」(九州、金融業)
コロナ明け需要回復が一巡、物価上昇で貯蓄も目減り
どうやら「コロナ明け」の需要回復が一巡し、物価高や人手不足、さまざまなコロナ対策の期限切れ、果ては猛暑に暖冬という気候要因までが重なって、急速に景気の息切れ感が強まっているようなのである。
そうそう、10月1日から始まったインボイス制度も、中小零細事業者やフリーランスの働き手の心胆を寒からしめているはずだ。導入による歳入増はせいぜい2480億円だというから、本当にこの時期にやる必要があったのだろうか。
年初から、「今年の日本経済は小吉のおみくじ」と言い続けてきた筆者としても、「ああ、ホントに『小吉』止まりだったのね」といささか拍子抜けする思いがしている。考えてみたら、家計部門にはコロナ下で積み上がった「強制貯蓄50兆円」があるとはいえ、この間の物価上昇を考えれば、それも相当に目減りしているはずなのだ。
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