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むしろ「AIが仕事を奪ってほしい」人手不足の極地 円安で増える外国人旅行客、減る外国人就業者

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
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近年、生成AI(Artificial Intelligence:人工知能)の急激な進歩を背景として仕事が奪われる懸念が話題になることが多いものの、上述のような日本の状況を踏まえるとむしろ「奪ってほしい」という状況も出てきているようにも感じる。

もちろん、「AIで仕事を奪われる業界」と「AIに仕事を奪ってほしい業界」が一致するとは限らない。

AIで仕事を奪われた銀行員が宿泊・飲食サービスや建設に即応できる人材になるイメージは湧かない。そうしたミスマッチがマクロ経済全体で上手く解消されるようにAIの活用が進む保証はなく、だからこそ「AIが仕事を奪う」が争点になりやすい状況がある。

だが、人手不足が日本でインフレの持続的な要因として、今よりもさらに懸念される事態になった場合、AIによる労働力の穴埋めという直接的な議論だけではなく、AIによる生産性向上を通じた賃上げで、労働集約的な業種が人を集めやすくなるなどの展開も期待される。

いずれにせよ、デフレが当然視されていた日本経済においてインフレの持続性が争点となる状況が生まれているのは――最終的にどのような結末になるかは別にしても――大きな変化である。

「円安インフレ」恒常化への覚悟

現下のインフレの背景を『高いiPhone、高いホテルと「半世紀ぶり円安」の先』と合わせて総括すれば、結局、通底する論点としてやはり執拗な円安相場がある。円安があるから輸入物価は上がり、インバウンドが大挙し、外国人労働者が集まらなかったりする現状がある。

当面に関して言えば、「FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の利下げ転換」という大きな円高イベントが控えているため、「そこまで我慢すれば状況は改善する」という見方もできなくはない。

真の問題は「FRBの利下げ転換」を経ても、大して円高に戻らないことがわかってしまった時だろう。その際は日本のインフレは「円安を前提とした恒常的な現象」としてある程度は受け入れる覚悟が必要になる。

筆者がかねて繰り返し論じているように、今の日本は外貨が流出しやすい構造に変容しつつある疑いがあるため、そのような悲しい展開は絵空事とは言えないのではないかと心配している。

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