もはや「手遅れ」か、Windowsの苦しい戦い ソフト会社の方針は極めてシビア

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シアトルのモバイルアプリ開発会社General UIの総括管理者Jason Thane氏の考えでは、他のシステム用のアプリをWindows用に開発するコストは、その設計コストの10~20%程度にまで下がる必要がある。

新しいツールをまだ使っていないThane氏は「別のプラットホームに移植するコストは、アプリを一つのプラットホームで開発するコストの50%以上になる可能性がある」と述べる。「顧客が安く容易に移植できるような方法をマイクロソフトが持っていて、性能や機能性に対する大きな影響がないならば、それを使いたい者はたくさんいるだろう」。

しかし、小規模な開発会社にとっては、小さな追加の仕事さえ手に余るかもしれない。主としてiPad用に設計されたプレゼンテーションソフトを作成する会社Haiku Deckを現在経営している、マイクロソフトの元幹部Adam Tratt氏も、そのように考える一人だ。同氏は「いつかは手がけたいが、まだ取り組んでいないことがある。それはリソースの機能だ」と述べる。

分が悪いマイクロソフト

最近の事の推移は、マイクロソフトにとって分が悪い。Pinterestは昨年、Windows Phoneの試験アプリを放棄し、Chase and Bank of Americaは今年、影響を受ける顧客はほとんどないとしてWindows Phoneアプリのサポートを停止した。それらの会社のいずれもWindows 10向けのアプリに関する開発計画についてコメントしていない。

ただしマイクロソフトには、忠実な支持者が一定数いる。ウォルト・ディズニー・カンパニー、ネットフリックス、USAトゥデイは、Windows 10用のアプリを開発する。

巨大メディア企業Gannett傘下のUSAトゥデイは、パソコン、タブレットおよびスマホの全部で動作する「汎用」アプリをWindowsのために制作している。しかし、既存のWindowsアプリを再利用したり、アップルやAndroidから移植したりするかわりに、一から開発することを選んだ。

Gannettのモバイル開発マネジャーChristopher Kamsler氏によれば、「最良の体験は、いつだって特定のソフトウェアシステムのために作ったツールによって達成されてきた。われわれのアプリ開発チームは、そうしたツールを利用して、各デバイスで動くアプリを作り上げてこなければならなかったのだ」と述べる。

マイクロソフトにとって苦しい闘いになる、とハイテク調査会社ForresterのアナリストFrank Gillett氏は語る。

「AndroidとiOSは完全に勝利の圏内にあるが、Windowsはまだだ」

(執筆:Bill Rigby 編集:Peter Henderson、John Pickering)
 

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