もはや「手遅れ」か、Windowsの苦しい戦い ソフト会社の方針は極めてシビア

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しかし、2017年までにスマホの販売が6対1でパソコンを超えることが予想される現在、それはマイクロソフトがパーソナルコンピューティングに対する影響力を失いつつある兆候かもしれない。

このような傾向のために、「開発会社がマイクロソフトのための開発リソースを優先することは難しくなる」。アプリ間のリンクを作成するモバイル広告サービス会社URXの最高経営責任者であるJohn Milinovich氏はそのように述べる。

静止したビジネス

成長が止まったパソコン市場に密接に結びついているWindowsは、マイクロソフトにとっては大きいビジネスであるが、静止したビジネスだ。専門家の予測によれば、今事業年度の予想年間収益930億ドルのうち、Windowsからの収益が200億ドルである一方、Office部門からはほぼ300億ドルが見込まれている。また、同社のサーバーソフトウェアとクラウドコンピューティング事業の成長ははるかに速く、クラウドコンピューティングの収益は2018年までに3倍の200億ドルになると予想されている。

マイクロソフトが準備しているとする新しいツールを確認したソフトウェア開発会社は一握りだけだが、ほとんどはiOSやAndroidのアプリをWindowsに容易に移せるとは考えていない。そうした不信は、アプリの動作に必要なライブラリと呼ばれる既製ソフトウェアの集合をWindowsアプリがどう使うのかという疑問や、Swiftと呼ばれるアップルの新しい言語が近い将来、現在の言語に取って代わる計画などを原因とする。

プロジェクト管理のオンラインツールを作成している会社Smartsheetのモバイル部門トップErik Rucker氏は、「Windows版アプリの計画はない」と述べる。同氏は、iPadやiPhoneのアプリをWindows用に修正することが容易にできるとは信じていない。デバイスに密接に一体化したアップルアプリを移植するために「大量のコードを書く羽目になるだろう」と語る。

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