もはや「手遅れ」か、Windowsの苦しい戦い

ソフト会社の方針は極めてシビア

「Windowsのスマホは、まず相応の市場シェアを得ないことには、我々の時間や金を節約することにはならない」。シティバンク、ニューヨークポスト、コンデナストなどの多数のアプリを開発している、ニューヨークのアプリ開発会社Fuzz Productionsの取締役であるSean Orelli氏は、こう言う。

世界最大のソフトウェア会社であるマイクロソフトにとって、今夏に発表するWindows 10は極めて重要な製品だ。Windows 10は、パソコン、タブレットおよびスマホで動作するよう設計されている最初のOSである。ソフトウェア開発会社がこの新しいプラットホームを受け入れないならば、マイクロソフトが2~3年以内に10億台のデバイスに搭載されることを目指す次世代OSの可能性は著しく損なわれてしまう。

キャンディクラッシュはWindowsに移植へ

10社を超える開発会社にインタビューしたが、アップル向け、またはAndroid向けアプリからマイクロソフトにアプリを移すことを計画しているのは、1社だけだった。つまり英国のKing.comで、人気ゲーム『キャンディクラッシュ』を「ごくわずかのコード修正」でiOSからWindows 10に移植することに成功した。マイクロソフトは、このゲームをWindows 10へのアップグレードで自動的にインストールするという。King.comはこの計画を認めたが、それ以上のコメントを拒否した。

また、8つの開発会社は、Windows 10用に開発する計画がまったくないと述べた。そしてWindowsアプリをすでに手がけている4社は、今後も続ける旨を表明した。

現在のところ、アプリをWindowsフォーマットに変換する新しいツールセットについてマイクロソフトが公表していないので、開発会社はどんな戦略も除外できないでいる。マイクロソフトのスポークスマンは、決めるのは「まだ早い」、今後数カ月間に多くのソフトウェア会社がツールについて検討することになるだろうと述べる。

マイクロソフトの理屈では、アプリが多くて魅力的なほど、Windowsのスマホやタブレットの購入者は多くなる。iPhoneの無料アプリトップ10のうちWindowsのスマホで利用できるのは6つだけで、そのうち2つがマイクロソフト製だ。これまでマイクロソフトは開発会社に対価を支払うことによって、Windowsアプリを作らせてきた。

アプリ制作会社を引きつけられなくてもマイクロソフトにとって致命的ではない。自社のOffice製品、サーバーソフトウェアおよびクラウドコンピューティングサービスへの依存を強めているからだ。

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