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「成績が良いといじめられる」日本人の特殊性 差異や異質を求める「異年齢学級」の役割

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  • 江崎 禎英 社会政策課題研究所/元内閣府大臣官房審議官
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「子どもには元々学ぶ力があるんです。本当はそれを信頼して引き出してあげるのが教師の役割」と松岡先生は話す。

「しかし今は、“先生のペースで理解できる子”が優秀な子で、それについてこられなかったら“落ちこぼれ”というレッテルを貼られてしまう。逆に、もっと進んだ子は“吹きこぼれ”といって授業をつまらないと感じてしまうんです」

今こそ子どもたちに正しい投資を

松岡先生がこうした教育に取り組んだのは、新型コロナによる一斉休校がきっかけだった。「与えられないと学習ができない、自ら学ぶことのできない子どもたち」を生み出してきた教育の現実を直視せざるを得なかったから、だという。

現在、多くの教育現場では、「同じ学年の子どもは皆、同程度の能力を持っている」という“フィクション”を前提とした「学年制学級」の限界を痛感している。

かつて日本国民が欧米に「追いつけ、追い越せ」と皆同じ方向を向いていた頃、その目標達成には、一斉授業ベースの集団教育はたしかに効率的だった。しかし少子化とともに、子どもたちのバックグラウンドも多様化している。教師の負担も増す一方だ。

一斉授業から転換するためのコストは嵩むだろう。ただ、個々のいじめを分析・評価して対応策を検討する従来方式が根本改善につながっていないことは、冒頭の統計データが示す通りだ。そろそろフィクションと教師個人の努力への依存から脱却し、未来を担う子どもたちに十分な投資を行ってはどうだろう。

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