中学受験生の親がもつべき「正しい"狂気"」の正体 『二月の勝者』最新刊の見どころを作者が解説
おおた:ここまで答え合わせを待ったのには理由があったんですか?
高瀬:正しい狂気って、本当に追いつめられたときに発揮されるものだと思うので、やっぱり説得力をもって表現できるシーンがやってくるタイミングを待つしかありませんでした。
おおた:作者として、ようやく少し心のつかえがとれましたか?
高瀬:そうですね。
親には「狂気」が宿る
おおた:では、改めて、「狂気」とは?
高瀬:武道にしろ芸術にしろ、必死に何かを習得しようと思ったら、狂気みたいなものが宿るじゃないですか。そういう意味で狂気という言葉を使いました。
中学受験生の親として、おおたさんの本の表現を借りるなら、内なる魔物を手なずけてまで子どもの成長を見守るって、狂気が宿ってないとできないことだと思うんです。
おおた:決して楽ではない中学受験の日々を通して、子どもをコントロールしたくなる誘惑に打ち勝ち、自分の中の内なる魔物を手なずける強さを習得するとき、親には狂気が宿るということですね。
高瀬:その通りです。
おおた:第18集で、2月2日の夜にまるみちゃんの母親が正しい狂気でまるみちゃんを守り、その結果、3日の朝にまるみちゃんが自分の力で殻を破る場面が第19集で描かれていました。「中学受験生の親の役割は究極のところこれなんだ!」と私もグッときました。
高瀬:じゃあ、どうやったら正しい狂気が身につくのかってことは漫画ではなかなか表現できないんですが、おおたさんの本にはそれがしっかりと書かれている。すごい本ですね。
おおた:私の本のオビには「さあ『折れない心』の親になろう」というキャッチがついていますが、「さあ『狂気』を身につけよう」にしようかなと思ったくらいです(笑)。
高瀬:それ、すごく怖いから、やめて正解です(笑)。
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