東武が「水族館のアイドル」を乗車させたワケ スカイツリー3周年で浮かび上がる課題
「東武動物公園とのタイアップでモルモットなどの小動物が乗ったことはあるが、ペンギンは当社では初めて」(東武鉄道)。全国を見渡しても「ペンギン列車」を運行した実績があるのは近畿日本鉄道・志摩線くらい。首都圏での運行はもちろん初めてだ。
すみだ水族館によれば、飼育しているペンギンの中から、外に出しても落ち着いていそうな個体4羽が選ばれたという。「ペンギンたちにとっても、電車に乗るのは初めての経験。狭い車内の中をペンギンが歩けるか、何度も下見をしました」と、すみだ水族館の担当者。
実施にあたっては、ペンギンが滑らないよう床にマットを敷いたり、暑さでバテないように空調を低めに設定したりするなどの対応を行った。リハーサルはなく、ぶっつけ本番だったが、ペンギンたちの芸達者ぶりを目の当たりにした東武鉄道のスタッフたちは「すごく愛嬌がある」と驚きを隠さなかった。
スカイツリータウンのテコ入れ策
東武鉄道はなぜペンギントレインを企画したのだろうか。スカイツリー3周年のイベントであることは冒頭で触れたとおりだが、実はもう少し深い理由がある。
それはスカイツリー、すみだ水族館、商業施設などから構成される東京スカイツリータウンの入場者が減少していることだ。
スカイツリーの開業は2012年5月22日。開業初年度の人気は凄まじかった。東武鉄道は初年度のスカイツリーとスカイツリータウンの来場者数をそれぞれ400万人、2750万人と見込んでいた。しかし初年度(2012年5月22日~2013年3月31日の314日間)の実績は、スカイツリーが予想比38%増の554万人、スカイツリータウンに至っては同62%増の4476万人を記録した。
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