野田線がカギを握る東武鉄道の成長戦略

急行運転の開始や伊勢崎線との直通運転も

スカイツリーに続く成長ドライバーはアーバンパークラインとなるのか――。東武鉄道は、2014~2016年度の中期経営計画(中計)を4月30日に発表した。「鉄道事業の利便性・安全性の向上」「東京スカイツリータウンの継続的な収益力強化」「沿線の生活価値の向上」「観光戦略の展開」という4つの柱を掲げる。スペーシアなどに続く新型特急の導入や日比谷線直通用車両の新造などが注目されるが、その中でも一際目を引いたのがアーバンパークラインの強化と同沿線の開発だ。

アーバンパークラインとは、大宮―船橋間62.7キロを走る東武野田線の愛称。都市と公園を組み合わせた造語を今年4月1日から愛称として導入し、ロゴマークも制定している。2013年には同線で初となる新型車両60000系を導入するなど、ここにきてイメージアップ戦略やテコ入れ策が際立つ。

今回の中計でも、「東武アーバンパークラインの利便性・快適性の向上」を基本戦略の筆頭に掲げた。その内容も沿線住民の悲願ともいえる内容が並ぶ。

3つの目玉戦略

まずは急行運転の実施だ。これまで同線は全区間が各駅停車による運行だったが、中計期間中の今後3年のうちに大宮―春日部間に急行を走らせる予定だ。急行の停車駅や本数は未定だが、現在は21分かかる同区間の所要時間が短縮されることになる。

2つ目は複線化区間の拡大。これまでもアーバンパークラインの弱点として単線区間の多さが指摘されてきた。行き違いのための待ち合わせが必要となり、運行本数が制限され、所要時間も余計にかかることになる。同線の単線区間は長い時間をかけて徐々に減少してきているが、まだ全区間の3分の1が単線区間のままだ。

今回の中計では、単線区間のうち、松戸市の六実駅から柏市の逆井駅間3.9キロメートルの複線化を進めるとした。完成時期などの具体的な発表はなかったが、完成すれば、船橋から柏までの区間がすべて複線化され、相当の輸送力向上が期待される。

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