ビジネスの難解用語を「絵と事例でザックリ解説」 サイゼ、大塚製薬、モス、進撃の巨人が凄いワケ
どのセグメントを狙うかがターゲティングです。1つを狙ってもいいし、複数を狙ってもいいです。必要としている人に、必要なものを届けるためのカギはこのターゲティングにあり、ここがズレると供給者も需要者も不幸になります。
狙うセグメントが決まれば、その中で自社がどういう立ち位置を取るのかを決めます。他社と同じことをやっていても、市場がうまく取れないばかりか、「同じようなものが2つある」状態となってしまい、社会的にも非効率的です。自社の特徴を明確にし、他社と差をつける必要があります。
かつてはハレの日にぜいたくをしに行く場であったファミリーレストランでしたが、その普及につれて、1990年代には、とくにハレの日でなくとも皆がレストランを使うようになりました。
そうした新しいセグメントの登場をいち早く捉えて成功したのが、サイゼリヤです。
競合他社が高級路線を取るなか、需要があるのは低価格帯であると判断し、メニューを徹底的に安く提供しました。ただし、同社の成功は単に「伸びるセグメントを早期に発見できていた」だけにとどまりません。
同社は本場イタリアの味を再現するばかりか、実際にバイヤーがイタリアから買い付けてきたワインなどの食材を提供するなどの徹底ぶりで、「ただの安い飲食店」とは一線を画します。
サイゼリヤは安いのに本格派、というポジショニングが顧客をつかんで離さないのです。
3C分析の成功例:大塚製薬
マーケティングの基本ステップSTPを進めていくための基本的な知的インプットとして必要となるものが、自社(カンパニー)、顧客(カスタマー)、そして競合(顧客)に関する情報です。顧客情報をもとにセグメンテーションを行い、自社や競合の特徴をもとにターゲティング・ポジショニングを決めます。
自社分析では、自社の製品の特長や技術的な強み、顧客からの評価などを明らかにするのみならず、そもそも自社のビジョンや事業ドメインは何なのか、という確認も行います。ビジョンから外れた製品を出しても、後から戦略の一貫性を維持することが難しくなります。
顧客については、市場規模などの数量的な情報のほか、顧客のライフスタイルなどの定性的な情報も、ペルソナ分析などを用いて明らかにします。
競合については、製品の特長や、掲げる理念などを整理していきます。そうして競合の特徴を理解することで、自社がどう違いを作っていくか、マーケティングの方針を定めやすくなります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら