その物件が中古で取引される際の価格設定は、住宅ローンが基になっている。金融機関の戸建てに対する資産性の見方は土地と建物に分けて算定している。これらを合計したものが取引価格になることから、これを不動産鑑定の用語で積算法と言う。
新築時も契約の際に土地と建物価格は明記される。そして、建物価格にだけ消費税がかかるので、消費税が120万円なら、建物価格は1200万円ということになる。取引価格が4200万円なら、土地代は残りの3000万円になる。銀行は、土地については担保価値があり、建物については耐用年数22年で減価するという考え方をベースに住宅ローンを貸す。
つまり上記の場合の中古価格は、土地代3000万円+償却後の建物価格となる。償却は22年で均等に減価するので、11年で半額になり、22年でゼロになる。建物代は1200万円÷4200万円で、29%相当で、これを22年で均等に償却するので、年間1.3%ほどになる。
年間1.3%しか物件価格が下がらないなら、住宅ローンの元本は現在の低金利を基に計算すると年間2.7%ほど減るので、毎年1.4%の含み益が積み重なることになる。
10年で14%、22年で35%物件価格は下がるが、22年後に元本は6割近く返済が進んでいるので、売却で25%のキャッシュを生むことになり、ここから売却の諸費用を引いても2割は残ることになる。
物件価格によって毎年の値下がり率は変わる
ここからいくつかの購入戦略が決まってくる。1つは、新築分譲戸建てを土地代の割合が高い都心寄りで買うのはいい選択となる。以下のように、物件価格に対して、毎年の値下がり率は変わってくる。
物件価格5000万円なら、年間下落率は1.1%
物件価格4000万円なら、年間下落率は1.4%
物件価格3000万円なら、年間下落率は1.8%
次に中古戸建てを購入するなら、建物償却後の価格で購入していれば、そもそもの建物価格が低いので、値下がり幅は小さくなる。つまり、価格の下落は新築よりも小さくなるので、資産性が高いことになる。
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