「中国は最も重要な成長市場のひとつだ」。シェルのリテール部門とモビリティ部門の担当副社長を務めるイストバン・カピタニー氏は、財新記者の取材に対してそう述べ、次のように続けた。
「世界のEV向け充電ビジネスのなかで、中国市場は最も急速に成長している。それを支えるのが、巨大なEV生産能力、ライドシェアなど業務用車両の(積極的な)EV転換、電力会社の(充電インフラ整備に対する)サポート、EV購入を奨励する政府の優遇政策などだ」
市場シェア奪取へ企業買収も
とはいえ、シェルは中国のEV向け充電ビジネスにおいては「後発組」だ。業界団体の中国充電連盟のデータによれば、2023年8月時点の中国国内の充電装置設置数は720万8000基に達し、その9割超が(企業別ランキングで)上位15社の充電ステーション運営会社に集中している。
これら15社のなかにシェルは入っておらず、先行する特来電(テルド)や星星充電(スターチャージ)などの中国企業を追撃するのは容易なことではない。
シェルが中国市場でシェアを急速に伸ばす手段としては、既存の充電ステーションの買収や、中国の運営会社との提携などが有力だ。「われわれはEV向け充電ビジネスの分野で大規模な買収を実施し、競争力を高めたい」。財新記者の取材に対し、カピタニー氏はそうコメントした。
(財新記者:郭霽瑩)
※原文の配信は9月20日
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