サステイナビリティー(持続可能性)面に優れた企業を見るCSR(企業の社会的責任)企業ランキングは大企業が上位になりやすい。そこで若干規模は劣るがレベルの高い企業を取り上げようと作成しているのが「中堅CSR企業ランキング」だ。通常のCSR企業ランキングをベースに2022年3月期までの3年平均売上高3000億円未満を対象とし、超大手以外の企業が上位になるようにしている。
評価方法はCSR企業ランキングと同じ。『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』『同(ESG編)』2023年版に掲載している1702社を対象にCSR158項目、財務15項目で総合評価を行っている(ポイント算出方法など、ランキングについての解説はこちら)。なお、300位までは『CSR企業白書』2023年版に掲載しているので詳細はそちらをご覧いただきたい。
1位は丸井グループ
では、ランキングを見ていこう。1位は丸井グループ。全社を対象とした総合ランキングは100位だ。人材活用も全社12位(以下、部門別は全社順位)、環境(20位)、企業統治+社会性(33位)とそれぞれ上位になっている。同社で最も高い「人材活用」分野の基盤になっているのが「手挙げ」をはじめとする自律的社風だ。部門横断プロジェクトなど横連携の取り組みも充実し、全社での人材育成を進めている。
1人当たり年間教育研修時間27.7時間、同研修費用7.1万円をはじめ研修制度は数多い。役職定年制度なしなど年齢を問わず責任ある仕事を任せる体制も整備されている。2026年3月期には人的資本投資を120億円まで拡大するなど人的資本成長に力を入れる。
2位はファンケル。人材活用(2位)、環境(29位)、企業統治+社会性(40位)と人材活用は全体でもトップクラスだ。マネジメント業務以外に専門知識を生かせる上級職として「エキスパート職」を導入。正社員の定年年齢は65歳まで引き上げている。
65歳以降も働きたい場合は再雇用の年齢上限を撤廃する「アクティブシニア社員」制度が用意されている。障害者雇用率4.29%、女性管理職比率47.4%など数値面も圧倒的な水準だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら