3位アズビルは環境(73位)、企業統治+社会性(54位)などバランスよく得点している。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)がインドネシア政府と実施している二国間クレジット制度の実証事業に参加し、製油プラントのCO2排出量を削減。2050年に自らの事業活動に伴うGHG(温室効果ガス)排出量実質ゼロを目指すなど環境取り組みに積極的だ。
4位はナブテスコで企業統治+社会性(23位)が強い。グループ全拠点が国土強靭化貢献団体認証(レジリエンス認証)を取得。サプライヤーに無料でBCP(事業継続計画)策定支援講座と策定支援も行っている。自社グループでの積極的なボランティア活動など社会貢献にも力を入れる。
5位は日新電機。住友電気工業のTOBで4月に上場廃止となった。環境(29位)は高レベルだ。
6位のオカムラは環境(20位)が強い。製品製造に必要なCO2排出量と同等の排出権付きオフィス製品を提供する「カーボンオフセットプログラム」を実施。再生可能エネルギー利用率33.3%など数値面も強い。
以下、7位参天製薬、8位H.U.グループホールディングス、9位アース製薬、10位カルビーと続く。
ESG評価が高い企業と株価の関係
続いて、上場廃止となった日新電機を除くオカムラまでの上位5社の株価上昇率の平均とTOPIX上昇率を10年分比較してみた。すると明らかに上位5社の株価が上回っていた。
乖離がはっきりしてくるのはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がESG(環境・社会・企業統治)投資を開始した2017年だ。我々が作成しているほかの総合ランキングでも上場企業の株価は2017年ころから変化が見られることが多い。
サステイナビリティーの取り組みが進んでいる企業は以前から評価の高かった優良企業ばかりだ。急に企業価値が増したとは考えにくく、2017年当たりにルールチェンジが起き、こうした銘柄が集中的に買われるようになったということだろう。
ESG評価の高い企業は、サステイナビリティー面で企業の力が増し、それに伴い株価も上がるといわれる。だが、今はまだESG投資ブームでの株価上昇の面が強そう。サステイナビリティーが真に企業の力を高め、株価を上昇させるかはもう少し時間をかけて見ていく必要がありそうだ。
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