また、親が「自分のことは自分で決めなさい」と言うこともありますが、その後の生活で、親が口出しをしてしまい、子どもは「親は自分で決めなさいと言いながら、また関与してくるウザイ存在」と感じることもあります。
子どもの率直な気持ちを確認する
親は上記のような要望や指示ではなく、子どもの意思の確認をする「ある問い」をします。意思の確認といっても「今後、勉強をやるのか、やらないのか?」ではありません。
「今後、学力を伸ばしたいのか、伸ばしたくないのか?」という問いです。
「勉強をやるかやらないか」という問いは、子どもは「やらない」と答えるか、不貞腐れたように「やればいいんだろ!」と答えることがほとんどです。そのような言葉は親に無理やりやらされていることに対する抵抗として発言されており、実際、親にやらされていることと何ら変わりません。
しかし、学力を伸ばしたいと思っているのかどうかという問いに対しては「伸ばしたくない!」とは言い難いものがあります。子どもは本音のところでは自分を伸ばしたいとは思っていますが、様々な要因によって勉強したくない状況が生まれているだけなのです。
このような子どもの率直な気持ちを確認するためには、家族の誰か一人が感情的になってしまうと難しくなります。ですから冷静かつ真剣に話を進めていきます。
仮に④の段階で、「自分は学力を伸ばしたいと思っていない」と答えた場合は、それを受け入れます。受け入れられたことで、子どもは自分の言葉に責任を持つことになります。しかし、これまでの事例では、冷静な話し合いができれば、かなりの確率で「伸ばしたい」という回答が出てきます。この言葉が出てきたら、次に、勉強を阻害している要因を洗い出します。阻害する要因とは、「勉強法がわからない」「何から始めていいかわからない」「わからないことが多くてついていけない」などです。
それらに対して1つひとつ対策を立てていきます。そして何をいつ具体的にどう進めていくのかアクションプランまで具体的に決めていきます。
ここまでやらないと行動ができない子は実際たくさんいます。逆に言えば、ここまでやることで実際に勉強に向かうことができるとも言えます。
以上、5つのステップについて書きました。いかがでしょうか。勉強しない子に「勉強しなさい」という声かけをしても効果がなく、また塾に入れたり、家庭教師をつけたりしても伸びない理由がわかると思います。勉強方法だけを教えても、そもそも本人のやる気や希望が出てこなければ全く意味がありません。
このようなステップは一見遠回りのように見えて、実は一番の近道だったりします。ぜひ、一度実行してみてください。
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