休日をぼーっと過ごすと脳はよけいに疲労する 心の性質を知って正しくストレス解消法を使う
そういうときは涙を流すことも大切です。一時期「涙活」という言葉が話題になりましたが、実際、涙にはストレスを緩和する作用があります。
涙を流すと、気分を安定させる神経伝達物質であるセロトニンが分泌されるため、悲しいときや落ち込んだときに涙を流すことは有効なのです。
みなさんの中にも「思いっきり泣いたら案外すっきりした」という経験をした人もいるでしょう。
悲しいときに涙が出るのはそもそも生物学的に意味があるのですから、我慢する必要もなければ、無理に楽しいことをする必要もありません。感傷に浸ることや涙を流すこともストレス緩和には必要、ということを覚えておきましょう。
ただ、嫌な出来事に引っ張られてそれをいつまでも引きずってしまうのは問題です。そうならないために、心がけてほしいのは「感情はそのままに、対象を変える」ということです。
どういうことかというと、例えば悲しい気分のときに実際に自分に起こった出来事を思い出すのではなく、あえて泣けるドラマや映画を観るのです。そうすると感情を無理に切り替える必要はなくなりますし、自分に起こったことを引きずらなくて済みます。感情を抱く対象を自分の出来事から、ドラマや映画の中の出来事にするのです。
また、これは同様に怒りの感情などにもいえます。怒りの対象を特定の出来事や人物に向けるのではなく、対象を変えて発散するのです。例えばボクシングなどの格闘技でも良いですし、敵を倒すゲームなどでも良いでしょう。
少し前に「うっせぇわ」という曲が流行りましたが、あの曲を大声で歌う、なんていうのも良いでしょう。
こうした曲は聴いて楽しむのも良いのですが、カラオケでストレスを発散するのにもぴったりの曲だと思います。
悲しみや怒りなどの感情が強くなったときは、無理に楽しいことをするのではなく、感情をそのままに対象を変えて発散することを意識しましょう。
忘れようとするのではなく、別のことを考える
嫌なことは忘れる
↓
忘れようとは考えない
誰にでも、生きていて嫌だったことやショックだったこと、傷ついたことがあるはずです。後からそれを思い出して、また落ち込むこともあるでしょう。
そして、「こんなこと考えていちゃダメだ。忘れよう」と思考を切り替えようとしてもなかなか頭から離れない……というところまで含めて、共感する人は多いのではないでしょうか。
どうしても人は「嫌なことは考えないようにしよう」と思ってしまいがちですが、これは逆効果であるという研究結果が出ています。
アメリカの心理学者であるダニエル・ウェグナーは「何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる」という現象を提唱し「皮肉過程理論」と名づけました。
その根拠となる実験が「シロクマ実験」です。
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