東北大、「名ばかりテニュアトラック」への言い分 直撃に副学長は「独自の制度であり問題ない」

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――東北大学テニュアトラックという名称は外部の多くの人に異なる印象を与えています。

一般的なテニュアトラック制度の考え方は、ご認識の通りテニュアのポストが用意されていること。それからある基準に達しさえすれば(審査を経て)皆さんがテニュアに移行できること。その基準があらかじめ明示されていることが必要だと私も考えている。

ただ、東北大学テニュアトラック制度は先ほど申し上げた通りのもので、テニュアトラック制度ではないので、そこは誤解がないようにしていただきたい。

プレスリリースと公募要領は違う

――東北大学テニュアトラック制度を発表した2018年9月当時のプレスリリースには、「テニュアトラックとは」という説明書きがあり、文部科学省も定義する一般的なテニュアトラック制度の内容が記されています。それなのに「うちの制度は一般的なものとは違う」と主張するのでしょうか。

プレスリリースに一般的なテニュアトラック制度の説明を書いたのは、テニュアトラック制度は必ずしも皆さんが知っているものではないからだ。本学はプレスリリースを出すにあたり、カタカナ用語などで難しそうな言葉には必ず、一般的な説明をつけることにしている。

オンラインで取材に応じた東北大学理事・副学長(研究担当)の小谷元子氏。専門分野は数学、微分幾何学、離散幾何解析学。2020年4月より現職(リモート取材の画面のスクリーンショット)

一方で、公募される方は必ず公募要領をご覧になると思う。東北大学テニュアトラック制度のプレスリリースに貼られている公募要領のURLを見ていただければ、東北大学テニュアトラック制度がどういうものかをご確認いただけるようになっている。

――公募要領では、「極めて優秀と判定され、採用計画に合致すれば准教授として採用することもある」というふうには書かれています。ただ、あくまでもここに記されているのは准教授への採用の話です。一般のテニュアトラックとは違います、とは書かれておらず、テニュア審査を受けられない可能性があることの説明もありません。

学際研の採用者に対しては、「あなたはテニュアトラックです」ということは言っていない。採用する前に必ず任期付きのポジションだと説明しているので、そこはきちっと理解して来ていただいていると思う。

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奥田 貫 東洋経済 記者

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おくだ とおる / Toru Okuda

神奈川県横浜市出身。横浜緑ヶ丘高校、早稲田大学法学部卒業後、朝日新聞社に入社し経済部で民間企業や省庁などの取材を担当。2018年1月に東洋経済新報社に転じた。日本の研究力低下を招いている科学技術政策や、大学・研究機関の諸問題に関心を持ち、取材・執筆を続けている。

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