2つの「Apple Watch」に搭載された注目の新機能 25%電力消費を抑え、「ダブルタップ」に初対応

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S9を搭載するSeries 9とUltra 2で利用できる指先の動作による操作方法「ダブルタップ」は魔法のようだ(筆者撮影)

傘を差しているとき、料理をしているときなど、片手が塞がっている状態でApple Watchに電話がかかってきた際、応答するまでにあたふたした経験はないだろうか。筆者はそうしたとき、鼻先や唇などで画面のボタンに触れるという不恰好をさらしていたのだが、これからはもう少しスマートなジェスチャーで対応できるようになる。

S9チップの省電力性と、4コアに増えたニューラルエンジンによる機械学習処理の高速化、そしてwatchOS 10のモーションセンサー・オプティカルセンサーからの情報をより高い精度でのピックアップによって、実現している機能だ。2本の指をつまむという動きをモーションセンサーと血流を見るオプティカルセンサーで検出する。

通常の文字盤が表示されているときにダブルタップをすると、Digital Crownを下から上に回転させて表示するスマートスタックを呼び出す。最新のスケジュールや天気、エクササイズの情報などがまとめられている領域で、さらにダブルタップすることでスクロール可能だ。

それ以外にも、電話がかかってきたときの応答・終話、タイマーのポーズ・再開・終了、ストップウォッチのストップ・再開、アラームのスヌーズ、音楽やポッドキャストの再生・一時停止、フラッシュライトのモード変更、通知のボタン操作に利用できる。

また今後開発者向けにもAPIを用意し、「プライマリアクション」(その場で最も優先される操作、あるいは画面で一番大きなボタンの役割)を、ダブルタップでできるようにするというが、まずはシンプルなところから、操作に慣れてもらおうとしている。なおダブルタップは、10月に配信予定のwatchOS 10.1で対応する予定とのことだ。

サーバー介さない、素早いSiriと音声入力

また、筆者が毎日のように活用しているのが、Apple Watch上での音声入力だ。S9で機械学習コアが倍増したこと、watchOS 10の音声認識に新たなTransformerモデルが採用されたことで、通信環境がなくても、素早くSiriへのリクエストの認識や音声による文字入力が可能になる。

音声入力やSiriへの命令をWatch内で処理できるようになり、通信状況を問わず、早口でもバリバリ音声認識する(筆者撮影)

Apple WatchのSiriへのリクエストは、ワークアウトの開始やタイマーの開始といった、時計だけで完結する機能を呼び出したいときでも、これまでは音声認識の理解をサーバーを介して行ってきた。通信状況が悪い場合はエラーとなってしまうし、そうでなくてもリクエストに対して時間がかかってしまい、それがストレスとなっていた。

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