入出金だけじゃない、セブン銀行ATMの新たな活路 構想4年、個人情報変更手続きがATM上で可能に

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セブン銀行の業績は、大まかに言えば3つの要素で表せる。1日当たりのATM利用件数、取引1件当たりの手数料単価、そして設置台数だ。利用件数に手数料単価をかけるとATM1台当たりの売上高を算出できる。そこへ設置台数をかけることで、国内ATM事業の大まかな売上高がはじき出せるわけだ。

ATM運営のトップランナーとして業績を伸ばしてきたセブン銀だが、足元では踊り場を迎えつつある。設置台数は純増ペースを維持、キャッシュレス化が進む中で利用件数は底堅いものの、手数料単価は下落し続けているのだ。

ATM セブン銀行

要因は2つある。1つは金融機関で相次ぐATM手数料の値上げを受け、客離れを防ぐために2021年から手数料体系を見直したこと。もう1つはPayPayに代表されるキャッシュレス決済の勃興だ。手持ちの現金を残高にチャージすべく、セブン銀のATMが使われている。利用件数の増加に寄与する一方、手数料単価は通常の入出金よりも低い。

低迷する手数料単価と、踊り場の利用件数へのテコ入れとなりそうなのが、このほど発表した新サービスだ。認証や本人確認といった入出金以外の用途を喚起することで、ATMの利用件数が押し上げられる。

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