キアヌ「ジョン・ウィック」で復活懸けた驚きの策 スタントマンを監督に起用、期待薄が大ヒットに

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

興味深いことに、もともとキアヌは、ジョン・ウィック役の対象外だった。最初の脚本で、このキャラクターは60代から70代の男性として書かれていたのだ。

この脚本の権利を買ったイヴァニクも、ハリソン・フォードのような俳優をイメージしていたが、キアヌの担当エージェントから、「キアヌがアクション映画を探している」と聞き、キアヌに脚本を送った。彼は脚本を気に入るも、「自分が演じるのであれば、こういうキャラクターにしたい」と、さまざまな意見を出した。

ジョン・ウィックの口数がとても少ないのも、そのひとつ。何ページにもわたる会話のシーンで、ジョン・ウィックは最後に相槌を打つだけになったりもした。寡黙な人物にしたことで、ジョン・ウィックは、よりストイックでミステリアスになったのである。

キアヌ
寡黙でミステリアスなキャラクター作りが成功した『ジョン・ウィック』®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

スタントマンを監督に起用

脚本家のコルスタッドと一緒に脚本の書き直しをする一方で、キアヌは、アクションシーンについて意見を聞くため、『マトリックス』などで何度も一緒に仕事をしてきたスタントマンのチャド・スタエルスキとデビッド・リーチに連絡をした。するとふたりは、アクションだけを担当するのではなく、この映画を監督させてほしいと言い、キアヌも彼らの希望を支持した(クレジットにはスタエルスキの名前だけが出ているが、実際にはふたりの共同監督だった)。

監督としては新人であるふたりを信頼したことについて、2017年の筆者とのインタビューで、キアヌは、「僕は彼らを長年知っている。チャドは『マトリックス』や『コンスタンティン』で僕のスタントダブルをやってくれた。彼らは僕に何ができるかを知っている。僕らは好みも似ているし、ジョン・ウィックの話をどちらに持っていくかで意見が衝突したことはない。このアクションはストーリー上、どんな意味を持つのかという話し合いを常にしたし、彼らは僕の意見を聞いてくれた」と語っている。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事