生物を「学ばない人」「学ぶ人」に大きな差がつく訳 社会に出た今こそ身につけたい教養とは

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現在、企業、省庁、自治体などがさまざまな形で里山を保全するための活動を行っています。HONDAは、雑木林の間伐を行ったり、田畑を整えて子どもが自然に触れて学ぶ環境教育を行ったりしています。環境省は、里山の資源を持続的に利用する仕組みを構築することで、里山を保全していくようにさまざまな活動を行っています。林野庁も交付金を用いて、全国で里山の保全のための活動をしています。

しかし、コストをかけて頑張って保全していくというのは合理的ではありませんので、我々が上手に里山の資源を活用する中で、無理なく持続的に保全できる仕組みの構築というのが大事になってきます。

物事を正しく判断するためには基礎知識が必要

これらのさまざまな活動に共通する点は、教育に力を入れていることです。やはり、問題を把握し、解決策などを検討する際、必要な知識を持っていないことには、活動の目的の理解も、解決策についての合理的な判断もできません。

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生物教育は、身近な環境、食品や医療といった自分の健康にかかわることについて、科学的に理解して判断、行動する人間になるために不可欠です。人間はその気になれば無限に心配することができる生き物です。

ですから、SNSなどで不安を煽るような書き込みに出合うと、科学的な知識やデータに基づく判断ではなく、感情による誤った判断をしてしまう場合があります。どんなに頭がキレる賢い人でも、基礎的な知識がなければ判断を誤る場合があります。

しっかりとした基礎知識を持ち、物事が正しいのか正しくないのかを自分で考えて判断できるような大人でいたいものです。

伊藤 和修 駿台予備学校生物科専任講師

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いとう・ひとむ / Hitomu Ito

駿台予備学校生物科専任講師。東大クラス、医療系クラスから文系クラスまで幅広く授業を担当。駿台では、映像授業(サテネット講座)のほか、SUNDAI Diverseの生物講座も担当。教材の執筆、模擬試験の作成、高等学校教員対象のセミナーなど、多岐にわたる活動を行う。『大学入学共通テスト生物の点数が面白いほどとれる本』、『大学入試 ゼロからはじめる 生物計算問題の解き方』(以上KADOKAWA)、『体系生物』(教学社)、『大学入試 生物の質問52[生物基礎・生物]』、『医学部の生物』(以上,旺文社)など著書多数。

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