「既存の作品と似てる」生成AIは著作権侵害なのか ビジネス利用で企業側はどう対応すればよい?

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依拠性がどのような場合に認められるかも今後の検討課題ですが、依拠性が認められることを避けるためにも、生成AIのプロンプトには特定の作品名を入れない、特定の作品の一部または全部を入力しない、といったルールの下、生成AIを利用する必要があります。

生成AIに個人情報を入力した場合の扱い

生成AIの利用にあたり、第三者から取得した個人情報を入力する場合、
→それが個人情報の利用目的の範囲内であるのか
→それが個人情報の第三者提供にあたらないか

という2つの点を検討する必要があります。

(1)個人情報の利用目的

個人情報保護法上、取得した個人情報は、特定された利用目的の達成に必要な範囲に限り利用できます。そして、この利用目的は、あらかじめ公表している場合を除き、取得時に本人に通知しなければなりません。

多くの企業では、プライバシーポリシーなどにより、取得した個人情報の利用目的を事前に公表しており、第三者から取得した個人情報の利用は、その公表された利用目的に限られます。

そのため、生成AIに個人情報を入力することが、事前に公表された利用目的の範囲を超えている場合には、その個人情報を生成AIに入力することは個人情報保護法違反になりますので、注意が必要です。

(2)個人情報の第三者提供

個人情報を第三者に提供する場合には、原則として本人の同意が必要となります。

生成AIに個人情報を入力する場合、その個人情報は、生成AIを提供している事業者の手に渡ることとなりますので、この点で、個人情報の第三者提供に該当する可能性があります。

個人情報の第三者提供でも、利用目的の達成に必要な範囲内において個人情報の取り扱いを委託するために行われる場合には、例外的に本人の同意は不要と考えられています。

しかし、生成AIへの個人情報の入力が「個人情報の第三者提供」に該当するのか、「個人情報の取り扱いの委託」に該当するのかは、個別の事情によるところが大きく、その判断は容易ではありません。

(3)そもそも個人情報とは

さらに注意が必要なのは、ここでいう「個人情報」が、それ単体で個人を特定できる情報のみならず、他の情報と容易に照合して個人を特定できる情報を含む、ということです。

単体で個人を特定することができない情報であっても、それを入力することが個人情報の利用・個人情報の第三者提供に該当するかもしれない、という点についても注意しましょう。

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