夏の“節電”休暇に狙い ANA、JALの魂胆

 

 

「国際線は、座席供給量を増やしていることもあるが、前年を上回りそうな状況だ」(全日本空輸〈ANA〉の伊東信一郎社長)

航空業界で今、“異変”が起きている。同時多発テロや新型インフルエンザの流行など、イベントリスクが起きるたびに大幅な赤字や経営危機に陥ってきたが、今回の東日本大震災では意外にリカバリーが早そうなのだ。

冒頭のANA。国際線が震災直後に前年比2割減まで落ち込んだが、「5月に前年並み、6月には100%超えが確実になってきた」と福澤一郎IR推進室長は語る。ビジネス客の戻りが早く、昨秋の羽田空港国際線拡張などで供給量が2割増となったことも前年越えの大きな要因だ。

国際線より需要が弱い国内線でも5月に1割減、今夏には5%減程度までの改善を見込む。会社側の2011年度業績予想は非開示だが、「社内では全利益段階での黒字と配当維持を前提にしている」(ANA関係者)という。大リストラ中の日本航空(JAL)や、原発問題に直面した外資系航空会社の運休・減便の影響もあり、ANAへ旅客が流入したことも否めない。

実際、JALのゴールデンウイーク(GW)中の旅客数は、国際線が前年比31%減、国内線が同25%減とさんざんだった。ところが社内関係者によると、そのJALでさえも震災の起きた3月に100億円近い営業利益をたたき出し、足元の5月も単月黒字は確実な状況という。11年度の営業利益は前期比半減以下になるものの、700億円程度を維持しそうだ。

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