和田秀樹「60代はお金を無理にため込む必要ない」 お金をどんどん使って人生を楽しむのがいい
高齢者は「若い人の邪魔」にはならない
最近、「若い人の邪魔をしてはいけないのではないか」と、控えめに生きているシニア世代の方があまりにも多い。これは由々しき事態です。
いまの時代、年齢というものはあまり関係ありません。「若者だから」「年寄りだから」という価値観の違いは、以前ほど大きな差を生まないからです。
たとえば、福山雅治さんや桑田佳祐さん、松任谷由実さんのコンサートに行ってみると、親子がコンサート(場合によっては孫と祖父母というケースも!)に一緒に来ている光景もよく見かけます。
一昔前であれば、親と子供が同じコンサートに行くようなことはほとんどありませんでした。たとえば、私の世代の場合は、私たち子供世代はビートルズのコンサートに行きたいと言ったなら、親世代は東海林太郎のコンサートに行きたいと言う。つまり、若者文化と年寄り文化には大きな隔絶があったのです。
しかし、いまは親子で同じコンサートに行くなんてことは、ザラにあります。そう考えると、年配たちが思っている以上に若い人たちとの感覚は近い。だから、60代以上が若者の邪魔にはならないということを、心に刻んでほしいと思います。
60代は下の世代に「ぜいたく」を教えてあげよう
むしろ、いまの50代よりも上の世代は、バブルを経験している分、若い世代よりも確実にぜいたくを知っています。祖父母や両親が連れて行く和食屋やフレンチの店のほうが、子供世代が友達と行く店よりもずっとおいしいしぜいたくだったりすることが多々あります。
たとえば、60代が自分の子供や孫に「ちょっとお寿司でも食べに行こう」と言って連れて行った場合、普段、彼らが食べているお寿司屋さんよりも、ずっとランクの高い良いお店であることも多いのではないでしょうか。
自分だけでは体験できないような良い体験をさせてくれる高齢者を、決して若者世代は「邪魔だ」とは思わないでしょう。
特にいま60代くらいの人は、バブル時代の豊かな時代を知っているため、若い頃にかなりぜいたくな経験をしていたはずです。
「このままではお金を残して死んでしまうかもしれない」と思うのであれば、使えるうちに使っておいたほうがいいと私は思います。長生きできるし、何より人生を楽しむことができますから。
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