韓流が強力にプッシュする韓国ラーメンのすごさ 農心、三養など輸出向け生産体制に本腰

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日本でもおなじみとなった韓国のインスタントラーメン。輸出額が過去最高となりそうだ(写真・くまちゃん/PIXTA)

韓国国産のラーメン輸出額が2023年1~7月に初めて5億ドル(約737億円)を突破したことがわかった。韓国産のラーメンが発売を初めて60年。今では世界的に人気を得たようだ。

韓国関税庁と韓国農水産食品流通公社(aT)によると、2023年に入ってから7月までのラーメンの累積輸出額は5億2202万9000ドル(約770億円)だった。それまでの最高額は2022年の7億6543万ドル(約1127億円)だったが、2023年は史上初の10億ドル(約147億円)を突破する勢いだ。

同1~7月のラーメンの輸出量は13万4790.5トンとなり、8年ぶりに4.4倍規模で拡大した。

映画「パラサイト」やBTSが輸出の応援団に

韓国ラーメンがこれほどの人気を集めた背景は、韓国映画や韓国ドラマ、K-POPなどの韓流コンテンツが世界的な人気を得ていることがある。

まず2020年カンヌ映画祭最高賞パルムドールとアカデミー作品賞、監督賞等の4部門を総なめにした映画『パラサイト』の劇中に、韓国を代表するラーメンメーカー・農心(ノンシム)の「チャパゲティ」と「ノグリ」を混ぜて作る「チャパグリ」が登場した。これにより、韓国ラーメンが世界的な注目を集め、人気を得るきっかけとなった。

それからも、防弾少年団(BTS)のメンバー・ジミンがライブ放送などで三養(サムヤン)食品の「プルダックポックン麺(ミョン)」を食べる姿が話題となった。さらに同じBTSメンバーのVが韓国のバラエティー番組「ソジンの家」でラーメンを茹でる姿をお披露目したことも、韓国ラーメンの人気上昇の触媒となった。

また、コロナ禍により家庭での飲食が増え、インスタントラーメン市場が拡大したことも韓国ラーメンの人気に一役買ったとの見方も出ている。

世界各国で韓国産のラーメンの需要が伸びる中、各メーカーは生産施設の増設に乗り出した。

農心は2022年にアメリカでの第2工場を完工させて供給量を拡大しているが、さらに2025年にはアメリカでの第3工場建設に着工する。三養食品は2022年5月、輸出向けの製品を専門的に製造する韓国南部・慶尚南道の密陽(ミリャン)工場を竣工したのに続いて、2023年には同工場の敷地内に第2工場を新設する予定だ。

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