【産業天気図・家電/AV】厳しい価格下落で2極化鮮明に。勝ち組間の争いも一層激化

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急激な価格下落など家電・AV業界を取り巻く環境は厳しさを増し、「勝ち組」「負け組」が極端なほどに2極化しつつある。
 「負け組」の筆頭は三洋電機<6764.東証>。グループ内にたまっていた隠れ損失が一挙に表面化し、巨額の赤字で経営危機に直面。メインバンクの三井住友銀行などによる資本支援なしには企業の存続自体が危うくもなりかねない。パイオニア<6773.東証>も社運をかけるプラズマ事業の不振などで今年度は過去最大の赤字に転落、12月初旬に過剰生産設備の減損や人員削減等を柱とする再建策を公表した。ソニー<6758.東証>もエレクトロニクス部門が多額の赤字に転落、日本ビクター<6792.東証>もデジタル家電の赤字拡大で今年度の最終赤字が確実な情勢だ。
 一方、現時点での「勝ち組」は、松下電器産業<6752.東証>、シャープ<6753.東証>の2社。松下はデジカメやプラズマ、ドラム式洗濯機などのヒット商品を出し、シャープは液晶テレビや中小型液晶、携帯電話等が安定的な利益を稼いでいる。
 続く06年は、さらに業界への逆風が強まりそう。期待される薄型テレビにしても、05年度上期でソニーやパイオニア、日本ビクターなどは多額の赤字を余儀なくされた。液晶テレビ、プラズマでそれぞれトップのシャープ、松下の2社は薄型テレビ事業で黒字を計上しているが、その利益率自体はシャープで4%前後、松下で2%前後と見られ、実は、世間一般でイメージされるほど儲かっているわけでもない。液晶の大型化により、プラズマの独壇場だった大型サイズでも、かつての液晶とプラズマの棲み分け状態は崩壊。両陣営の覇権争いが製品価格の下落を加速させている。06年は両陣営の戦いがさらに過熱化し、泥沼の価格戦争が繰り広げられることになりそうだ。
【渡辺清治記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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