ここで改めて、センチュリーのSUVを見ていこう。ボディサイズは全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mm(ホイールベース2950mm)。全幅こそセダンより60mm広いが、全長は130mm短い。
スタイリングを見てみると、セダンのセンチュリーよりもたしかに少し短いように感じる。それは、単に「全長が短くなったから」だけでなく、フロントまわりの構造にも要因がある。前輪とフロントドアとの距離をみてほしい。SUVのほうは、ここが短い。
これが何を意味しているかというと、セダンとはプラットフォームが異なるということだ。セダンが5LのV8エンジンを縦置きしたハイブリッドシステムを搭載するのに対し、SUVは3.5LのV6エンジンを横置きに搭載するプラグインハイブリッド(PHEV)なのだ。
カスタマイズに対応し、価格は2500万円~
じつをいうとプラットフォームは、北米向けSUVの「グランドハイランダー」などと一部を共有するもの。職人が一つひとつ彫刻して作る「鳳凰エンブレム」や、塗装面を徹底的に磨き上げた「鏡面磨き」ボディなど、匠の手による仕上げはセダンと同じでも、メカニズムは異なるのだ。
「FFプラットフォームベースというのは、コストダウンなのでは?」と思う人もいるかもしれない。たしかに、コスト面での狙いもあるだろう。
しかし、これにより広大な後席・荷室空間の実現や、プラグインハイブリッドと「E-Four Advanced」4WDシステムのパワートレインといった、フラッグシップSUVにふさわしい要素が盛り込まれている。ネガティブに捉える必要はないだろう。
気になる価格だが、現時点では単に「2500万円」と発表されているのみである。先にスライドドア仕様のGRモデルを紹介したが、これはグレードではなく「お好みのカスタマイズを施した仕様」の1つであるようだ。
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