高価すぎるアップル「Vision Pro」に勝つ意外戦略 中国企業の完璧を求めすぎない「見切り発車」
成嶋:『GAFAも学ぶ!最先端のテック企業はいま何をしているのか』でも書きましたが、私は中国テック企業の特徴の1つとして「計画された見切り発車」と表現しました。
はじめから機能が完璧でなくてもあえて見切り発車でプロダクトをリリースし、ユーザーからのフィードバックを受けながら追加的にスペックを実装し、改良していく。究極のマーケットインのものづくりともいえますね。
QRコードさえあれば駐車場を運営できる
尾原:成嶋さんの書籍で紹介されている「スマート駐車場」の事例にも、その中国テック企業の「割り切り」がよく表れていますよね。
中国の「スマート駐車場」 都市部の中心地域での自動車保有台数が急増し、駐車場の供給不足が社会問題化している中国では、スマホとQRコードを活用した簡易な駐車場システムが普及している。入った台数から出ていった台数を引くという単純な仕組みで駐車されている台数を管理している。 |
尾原:日本人は「駐車場を運営するには高額な設備投資が必要」と考えがちなのですが、すべてのユーザーがスマホを持っている前提で考えたら、この簡易なバーを置くだけで十分だし、そのほうが圧倒的にコストが安い。この柔軟な発想と「割り切り」がいかにも中国らしいです。
成嶋:QRコードはもともと日系企業が開発したものですが、スマホの端末が進化して直接支払いができることに中国企業はいち早く気づいて、即座にサービスをリリースしてしまいます。
だから圧倒的にハードウェアのコストは安くなるし、ましてやそれをコントロールするソフトウェアはサブスクのSaaSとして提供されているので、みんなが使えば使うほど安くなる。日本と比較して90%以上はコストカットできるのではないでしょうか。
尾原:この「割り切り」とスピード感、そして設計のうまさに中国テック企業の特徴が表れているし、私たちが学ぶべき点がありますね。
(構成:堀尾大悟)
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