いまネパールで何が必要とされているのか もうすぐ長い雨季、問題は食糧だけではない
80年ぶりの大地震、国民の3割が被災
「わたしたちは揺さぶられたが、やられたわけではない。我々ネパール人は、しぶといのだ」。ネパール人会会長キショール氏は、5月12日シンガポールで開かれたネパール地震被災者支援の集まりでこう語った。ネパール緊急支援の現場から戻ったばかりの私は、彼の言葉を聞きながら、ネパール人の「しぶとさ」をサポートするのが、人道団体の役割だと改めて思った。
今回ネパールを襲った大地震は、まず4月25日に起きた。カトマンズ北西約80キロの地点を震源とするマグニチュード7.8規模の大地震だ。
すでに死者8144名、負傷者1万7804名、被災者810万人、家の損壊(全壊/半壊)は54万世帯にものぼる(5月14日時点)。
国民の3割ほどが、被災したことになる。私の見たところ、農地への被害は限定的であると思われ、この点は救いだ。
訪れた多くの段々畑には緑もあり、芋の収穫期であった。だが、まさに原稿執筆の準備を始めようとしていた5月12日、追い打ちをかけるようにカトマンズ東北東約75キロ地点でマグニチュード7.3の大きな余震が発生した。
この余震による死者は、ネパール国内だけで160名となっている。実はこの余震の震源地に近いシンドゥルパルチョク郡で同僚が活動していたため、安否確認ができるまでの数時間、大きな緊張が走った。幸い無事を確認できたものの、道路の前後が地滑りでやられ、当面は身動き取れそうにないとのことだった。今は、現地の被害状況を確認しているところだ。
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