いまネパールで何が必要とされているのか

もうすぐ長い雨季、問題は食糧だけではない

現在、多くの援助団体では、緊急援助から、生活再建支援に向けて動き始めている(但し、5月12日の地震の被災状況次第では、緊急援助の継続もありうる)。

長い雨季に向けたサポートが必要に

被災民たちも、瓦礫から使える材料を取り出し、山から竹を切りだし、仮設住宅づくりに動き始めている。このヒマラヤの国は、あと1か月ほどで雨季に入る。

アクセスの限られる山間部では、防水シートの配布も非常に限られており、露天で過ごしている被災民が多い。3~4か月に及ぶ雨季は、場所によっては、風雨も強く、防水シートでも、やり過ごすのは難しいと言う被災者もいる。山間部への道は、ぬかるみの悪路となり、土砂崩れの危険も増える。援助団体にとって、山間部の被災地へのアクセスがさらに厳しくなる。

コメや食用油などの食料品と生活必需品が入ったパッケージを受け取る少女。ネパールでは約1800円あれば5人家族が1週間暮らせるが、今回MRは1万3000人以上に緊急人道援助を行った

MRでも、雨季に向けパートナー団体と話を始めている。まずは、1~2年ほど住めるような仮設住宅建設サポート、そして必要に応じた短期的な食糧支援だ。仮設住宅に暮らす1~2年の間に、被災者が自分の家の再建も含め、彼らのペースで生活再建の歩みを進めることができればと期待している。

仮設住宅サポートでは、標準的なデザインを準備するものの、被災民が既に作り始めている仮設住宅のデザインや彼らのアイデアを尊重し、地元で調達しやすい材料をできるだけ用いたい。被災民自身が再建をリードすることで、精神的回復のプロセスにもつながると期待している。

食糧支援については、間もなく耕作が始まる稲やトウモロコシの種の供給を必要に応じて限定的に行い、次の収穫時期となる8月頃までの繋ぎとなる食糧支援を考えている。被災民には、彼らの食糧確保のやり方があるので、このやり方を温存しながら強化をする工夫をしながら支援を行いたい。次に災害が起きた場合に、外部支援がやってくる保証はなく、この「しぶとさ」だけで対応しなければならないかもしれないからだ。「しぶとさ」は、彼らの守るべき財産である。

雨季までの時間は限られている。MRにとっては、複数のパートナー団体と一緒に、被災地ごとに違うであろう事情に耳を傾けつつ、必要とされる物資をタイミングよく調達し、住居再建に向けた支援や食糧支援を必要に応じて行うことは、大きなチャレンジだ。

というのも、防水シートやトタン板などについては調達の困難が予想されるからだ。これらは現在カトマンズでは品薄で、インドからの輸入(陸路で発注から手元に届くまで1週間ほどかかる)に頼っている。

パートナー団体や被災民の知恵や経験から学びつつ、より多くの被災民が、雨季の天露を凌ぎ、前向きに過ごせるよう、引き続きサポートを行いたい。

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