時給8000円を稼ぐ「ビール売り子」の超仕事術

「球場の華」が緻密に組み立てる3つの戦略

ではトップ売り子さんは、どうしているか。自分からまた多く買ってくれるお客さんを、絞って固めていくのだ。あるプロ野球ファンが最初1回ビールを買うとする。その際に、周囲のお客様にも合わせて宣伝・営業する。「今日は○○チームが勝つといいですね!」と元気よく一声添えて。「今、ビールのタンクを替えてきたばかりだから、新鮮ですよ!」と大きな声で勢いを伝える。

さらに②で紹介した「覚えてもらうための」特徴を必ず伝えて、魅せる。買ってもらったお客だけでなく、周囲5メートル四方のお客を、自分のファンエリアにしていく。こうすると、「またあの娘から買いたい」「私も買いたい」「じゃあ、私も」という価値の連鎖が起こっていく。

あちこちのお客様を刈り取るのではなく、あるエリアを集中的にファンにしていく。これは、コンビニエンスストアの出店政策、ドミナント戦略そのままだ。

後は勝手に売れていく

話を戻そう。

ドミナント化で固定のファンができた、エリアも定着した。すると後は試合展開次第ではあるが、ビールは勝手にどんどん売れていく。いや、ビールが売れるというより、あの売り子さんから買いたくなっているだけか。

時給8000円を達成することは、並大抵ではない。しかし、トップ売り子さんが実践しているエッセンスは、われわれのビジネスにも必ず役立つ。そんなことを考えながら、野球場で楽しみたい。

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