JR九州「日田彦山線BRT」、開業初便に何人乗った? 豪雨で被災した鉄道を転換「ひこぼしライン」

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ひこぼし1号は8時10分に日田駅に到着した。到着時のセレモニーのようなものはなかった。本来は8時03分着なので予定より7分遅れ。彦山に停車したあたりから少しずつ遅れ始めていた。

道路で渋滞に巻き込まれたわけではないし、乗降客がものすごく多かったわけでもない。おそらく運賃収受に時間がかかったためだろう。下車する際に新たに導入された「スマホ定期券」など自分が持つ定期券が有効か確認している高校生がいたし、一般客が鉄道とひこぼしラインを乗り継ぐ場合、降車時の手続きにひと手間かかる。BRT区間のみの乗車なら交通系ICカードが使えるが、下車時に運転士が整理券を見て運賃を確認する必要がある。まあ、運行初日だから仕方がない。慣れてくればもう少しスムーズな運賃収受が可能になるはずだ。

平日に開業した理由は?

それにしても、記念すべき始発便にもかかわらず、芳賀・宇都宮LRTのように大勢の鉄道ファンが乗車しなかったのはなぜだろう。運行初日が平日ではなく、土休日だったら全国からファンがやってきたかもしれない。

ひこぼしライン 開業記念式典
ひこぼしラインの開業記念式典は運行開始の1日前、8月27日に開いた(記者撮影)

なぜ平日の開業となったのか。その理由は1日でも早く運行を開始したかったという点に尽きる。沿線には8月中に新学期がスタートする高校もある。土休日を待つために9月に入ってしまっては、通学客に不便を強いてしまう。そもそも、JR九州は当初「2023年夏開業」としていた。その点でも8月中に開業したかったわけだ。

だったらもっと早く準備を進めればよかったのだが、そうもいかなかった。BRTでの復旧が決まったのは2020年7月。準備期間はわずか3年だ。開業日が決まったのも今年4月に入ってからだ。

そこへ今年7月の記録的な大雨が追い打ちをかけた。豪雨の影響でバス専用道の築堤が崩れるなど被害が発生した。ただ、JR九州は「開業スケジュールを遅らせるわけにはいかない」として、復旧に努めた。工事完了後、訓練運転は予定どおり行ったが報道向け試乗会などの企画は中止となり、ぎりぎりで間に合ったという。

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