JR九州「日田彦山線BRT」、開業初便に何人乗った? 豪雨で被災した鉄道を転換「ひこぼしライン」
6時20分過ぎに「やまなみカラー」と呼ばれるグリーンの外装をまとった中型バスがやってきた。ひこぼし1号だ。乗車したのは11人。6時25分、田川後藤寺駅長による「出発」の掛け声とともに、ひこぼし1号はクラクションを鳴らして出発した。沿道では近隣住民やスタッフたちが手を振って見送った。
「ご乗車ありがとうございます。このBRTは高校ルート経由、日田行きです」。車内アナウンスは淡々としており、今日が開業初日であることへの言及はなかった。出発したバスはわずか1分で次の駅「畑川(医院前)」に到着した。駅といっても、どちらかというとバスの停留所に近い。だが、バス停でよく見られる道路沿いではなく、病院の玄関前に駅が設置されており、病院を利用する乗客に優しい配慮だ。
始発便のせいか、下車する客はない。どの駅でもバスを待つ人はおらず、バスはすいすいと走る。彦山駅でようやく1人下車した。
いよいよ専用道区間に
彦山からバス専用道に入る。いよいよBRTの名前の由来である「高速輸送」の本領発揮だ。信号はなく、途中で道路と交差する個所には踏切がある。運転手がレーザーポインターの光を遮断機に当てると瞬時に遮断機が上がって車両が通過した。長いトンネル内は時速50kmで疾走する。
ここまで、途中駅から乗車した客はいなかったが、筑前岩屋駅でようやく高校生2人が乗り込んできた。次の大行司駅でも6人の高校生が乗車した。福岡と大分の県境にある宝珠山駅から一般道に入った後も、どの駅でも高校生が乗り込んできて、北友田駅出発時点で車内の人数を数えたら28人いた。車内の座席はほぼ埋まり、立っている高校生もいた。あちこちで高校生たちが楽しげに会話する様子はまさに日常の通学風景だ。
高校ルートに入り、昭和学園前に着いたのは8時ちょうど。時刻表では7時50分着なので10分遅れだ。この駅と次の日田市役所前ですべての高校生が下車して再び車内は閑散となった。
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