だから「SLUSH ASIA」には若者が集まった

奇跡的ともいえる開催プロセス

このSLUSH ASIA、開催プロセスも異例です。筆者がSLUSH ASIAの開催について孫泰蔵氏から聞いたのは今年の1月はじめの起業イベント。その後、何かお手伝いをということで、Mistletoeを訪問しました。迎えて下さったのはSLUSH ASIA事務局リーダーの嶋根秀幸さんと大塚智子さん。

ほぼ奇跡ともいえる開催プロセス

「若者の集まるスタートアップイベント、いいですね。参加人数、日程、場所は。開催費用はどれくらいですか。」「フィンランドでのSLUSHは14000人ですが、数千人からはじめます。日程は、4月24日。お台場で、ドームを建設して開催します。費用は……」「えっ、4月? あと3ヶ月しかないのにそんなに大きなイベントができるのですか? 」

通常は1年以上前から準備に取り掛かる規模のイベントのはず、しかも、費用は多大。正直、大丈夫だろうかと思いました。基調講演をするビッグネームの日程を確保できるのか、費用をカバーするスポンサーは集まるのか。大企業は年度後半のこの時期、全く新しい予算をとることはできないだろうし、短時間での意思決定は苦手なところが多いのでは。それから、数千人の動員が本当にできるのか……。「これからやります!頑張ります!」お二人の熱意に感銘し、経済産業省として後援名義(一定の審査の上での名義の供与)、スポンサーになりそうな企業の紹介、行政関係の手続きの相談を受けることにしました。

大塚智子さんのFBの投稿がこのプロセスを物語っています。「SLUSHをアジアでやろうと聞いたとき、正直、「やった!」と思いました。ヘルシンキで見たあの学生達の目の輝きが、国境を越えてアジアでも生まれたら、世界は変わると思ったんです。フィンランドが変わった。私たちにできないわけがない。しかし、いざ1月に入り本格的にスタートすると、想像以上に大変で、実現までの道程がひどく遠く思えました。「3ヶ月じゃ難しいですね」「無謀なチャレンジですね」と言われる中、やっと自分たちが挑もうとしていることの大きさに気がつきました。

そんな中、「いいですね、やってやろうじゃないですか!」とメンバーが徐々に加わり、パートナーの方々が一社二社と増え、学生の目の色が変わり、渦のようにパワーが集結し、開催まで辿り着けました。年が明けてから、自分の全てを注ぎ込んできた、SLUSH ASIA。寝ても醒めてもSLUSH ASIA。部屋でひとり悔し涙を流したのも、涙を流してメンバーに感謝したのも、このプロジェクトでした。そこにはもう、使命感しかありませんでした。『きっと無理』は消え、『なんとかしよう』が満ちあふれていました」

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